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2006-03-01

7)どうせ死ぬなら「日本女侠伝 侠客芸者」

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もう3月ですね。春ですね。春といえば桜ですよね。そこで、今回は・・・。

 どうせ死ぬなら桜の下で 死なば屍に花が散る

 「日本女侠伝 侠客芸者」という藤純子主演の映画(1969年度作品)に出てくる唄です。正確には「田原坂」のメロディーで踊りを舞う時に歌われる歌の一節です。もちろん、舞うのは藤純子です。
 この「日本女侠伝 侠客芸者」は東映の任侠映画全盛期、「緋牡丹博徒」シリーズで成功を収めた藤純子の新たなシリーズになるよう企画された作品で、もちろん、もくろみ通り、シリーズになるべくして製作された作品であり、五本製作されました。
 ただ、「緋牡丹博徒」シリーズのように主役の藤純子は女博徒ではありません。藤純子演じるヒロインは、ある時は芸者であったり、ある時は牧場の後継者であったり、またある時は炭鉱の経営者や運送会社の女社長であったりします。だから、正確な意味で任侠映画なんかいな? と疑問にも思うのですが、当時の東映にあって躍進する仁侠映画群の一翼を担って製作されたため、やはり、その範疇に入るのでしょう。(写真提供=東映



 この映画では純子は九州・博多の芸者です。相手役を務めた高倉健は炭鉱の納屋頭を演じています。女の侠気と男の侠気がぶつかり合う映画です。

 ひょんなことから納屋頭の健さんと知り合った芸者の純子が、ある宴会の席で酒の飲めない健さんに代わって「そのお盃、私がお受けいたします」と男の身代わりになって満座の中で大杯の盃になみなみと注がれた酒を飲み干し、そのあと、「日本一のお山のはなむけに・・・」と挨拶をして「田原坂」をひとさし舞います。その時、地方(じかた)が三味線に合わせて歌うのが先に挙げた一節です。
 この映画、監督の山下耕作と脚本の野上龍雄が作り上げた大メロドロマですね。しかも、ヒロインは男から見た理想の女性像であり、この作品に限らず、「緋牡丹博徒」シリーズにしても藤純子は男の理想像である女性を何度も演じています。

 この「日本女侠伝」シリーズが「緋牡丹博徒」シリーズとは異なり、ドスを持たない女性が主人公(本当は二作品だけ、純子も最後の殴り込みに参加しているのですが)とはいえ、当時、任侠映画の観客の大半が男性客であったことを考えれば、純子が演じた女性たちが男が夢見る理想の女性像であったことは否めません(それにしても、よくやったよな、純ちゃん^^)。
 純子は博多芸者(かつては馬賊芸者といったそうです)として登場しますが、なぜか、根っからの博多芸者でなく、元は東京・新橋の芸者で、陸軍大臣(若山富三郎)に暴力を振るったということで東京から流れてきたという設定になっています。
 周りの芸者衆は皆、博多弁なのに(一人だけ、正司花江扮する芸者だけが大阪弁ですが)、純子は標準語です。あえて九州弁を使う芸者でなかったのは緋牡丹お龍が熊本弁を使っていたため、それとは違うものにしようという想定だったのでしょう。そんな、よそから流れてきた芸者が地元の芸者を圧して売れっ子芸者になっているーという、そんな細かい詮索もヤボというものでしょう。

 そんな純子の芸者が見せる、いじらしい忘れられないシーンがあります。 それは先に述べた踊りのシーンのあとに出てくるのですが、朝日を浴びながら二人が立ち話をするシーンで、この芸者が自分に好意を寄せていると察した健さんが自分が暗い過去を持つ身で、決して晴れやかな表に立てる人間ではないことを話します。
 それを聞いた純子も「八つの時でした。赤い鼻緒のぞうりがほしくて、どこにでもあるわらぞうりなんですよ・・・」と話し始め、ぞうりを万引きしたこと、芸者屋に売られて、いつの間にか一升酒を飲むような女になったと生い立ちを話します。
 このおんな心、いじらしいですよね。好意を寄せた男が暗い過去を持つのなら、自分も決して晴れがましい人生を歩んできたのではないと訴える、相手と同じ気持ちでいたいという一途さが伝わってきます。好きになった男と同じでいたいという気持ちの表れですよね。
 こんなにも想われた健さんも受けて立たなきゃ、しようがないですよね。のちに健さんの窮地を救うため、純子が健さんと対立する炭鉱会社の社長(金子信雄)に身を任せようとした時、乗り込んできた健さんが純子にビンタをくらわせて社長に言い放ちます。
 
 「俺が惚れた女だ。連れて帰るぜ!」
 
 ホー、こんなこと言えますか、アナタ??
 歯の浮くようなと言うなかれ。「日本女侠伝 侠客芸者」という映画は、そんな大メロドラマなのでした(正直、韓流のメロドラマなんて、ぶっ飛んじゃいますよ^^)。
 そして、ラスト、お座敷に出向くために化粧を始める純子の大アップ。小指で唇に紅を引きながら純子の目頭から大粒の涙が流れ落ちるー。
 このラストショットの締めくくりで、この映画はボクの心に残る作品となりました。 
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まさに、まさに

本日、ツタヤ岩手奥山店よりDVDをレンタル。「新作」(!!!!!)扱いでした。
確かに「任侠メロドラマ」と喝破した貴殿の感覚は、誠に正解。
シリーズ作品があと二本棚にありましたので楽しみです。

takatoさんへ

 ご訪問ありがとうございました。
 DVD化されたため、古い映画でも新作扱いだったのでしょうか?

 このシリーズは「緋牡丹博徒」シリーズとは異なり、メロドラマが主体なので、どの作品があと並んでいるのか知りませんが、当ブログでも述べているように「鉄火芸者」「血斗乱れ花」がお薦めですね。
 お楽しみください。

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