2006-07-20

73)今回は舞台の話で・・・

京マチ子、若尾


 前回の「うちら、肉体派ですよってにな」で、今月、京マチ子が京都の南座で舞台に出ていると記しましたが、かつてボクも京マチ子の舞台を一度、観たことがあります。
 といっても、彼女が所属していた大阪松竹歌劇団(OSK)時代ではありませんよ(当たり前やがな!)。
 出し物は「花の吉原百人斬り」で、主役の八つ橋を演じていました。この作品は内田吐夢監督の映画で有名ですよね。映画のほうでヒロインを演じた水谷良重(現・水谷八重子)が女優として本格的に認められた作品でもあります。




 舞台では、売春の個人営業(夜鷹)をしていたヒロインが吉原に連れてこられたところから始まり、花魁道中の真っ最中、騙した男に襲われるところまでが描かれたのは映画と同じです。
 乱れた花魁の衣装のまま、ヒロインが錫杖にすがって息をつぎ、背中合わせのようになって男が刀を振り上げたところで両者、見得を切って幕になります。相手役の佐野さんを演じたのは鬼平の中村吉右衛門です。
 この八つ橋というヒロインは京マチ子のキャラクターには打ってつけの役だといえますが、不思議なことに、この終幕の京マチ子が意外に舞台映えしなかった印象が残っています。
 映画女優ながら、もともとはOSK出身という舞台人なので舞台に慣れていないはずはなかったのですが、スクリーンで観ればドーンと大きなイメージも、この舞台ではちんまりとしていたのですね。京マチ子自身、そんなに大柄な女優ではありませんが、舞台を圧する大きさとでもいうのか、それが感じられず意外に感じた記憶があります。
 劇場は大阪の新歌舞伎座です。キャパの大きな、マンモス劇場ですね。そんな空間の大きさに位負けでもしたのでしょうか。

 同じころ、時期は前後しますが、新歌舞伎座とは目と鼻の先の道頓堀にあった朝日座で若尾文子の舞台も観たことがあります。こちらの出し物は「残菊物語」で、新派の狂言ながら、この作品も戦前、戦後を通じて三回、映画化されています。こちらの相手役は海老さんのオヤジの市川団十郎(当時はまだ市川新之助)でした。
 なんだか、かつての大映の看板女優さん、同じように歌舞伎役者を相手役に選び、このころは映画化作品を舞台化していたみたいですね(「残菊物語」は舞台の作品ですが)。
 ところが、若尾文子は京マチ子ほど、舞台経験はありませんが、若尾文子のほうが、こちらも大柄ではないにもかかわらず、意外にも映えていたのですね。演技力もさることながら、これは劇場の大きさが関係していたのでしょう。朝日座は小さな劇場でしたが、それが若尾文子の身の丈に合っていたのかもしれません。
 余談ながら、この時以降、若尾文子の大阪での舞台公演はありません。この時、観客の入りが悪かったらしく、「もう大阪では舞台に立たない」と本人が言ったとか言わなかったとか・・・。 
 
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