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2015-07-13

日本のいちばん長い日だった「黎明八月十五日」

                       黎明八月十五日 150712

 今年が先の戦争から70年という節目だからなのか、かつて岡本喜八監督で映画化された「日本のいちばん長い日」(監督・原田真人)が今夏、公開される予定でおます。リメイクかと思いきや、前作の原作者は大宅壮一、最新作の原作は半藤一利となっているので、あながちリメイクではないのかも。
 どっちにしても、「討ちてし止まん」だった日本がもろ手を挙げてバンザイしてしまった8月15日の政治家、職業軍人たちが右往左往sた一日を描いていることには間違いおまへんやろ。

 ところで、面白い映画をわがコレクションのビデオの中から発見しました。まさに戦後初といっていいくらいの「日本のいちばん長い日」映画でおます。こんなん、自分で録画していたとは、すっかり忘れていました。録画したのは4年前。たまたま江戸に住まうお友達の依頼で、工藤栄一監督の作品を探していたところ、未整理のコレクションの中から見つけ出したものでおます。

 これにはオチがあって、先の「日本のいちばん長い日」に関連し、そのお友達が『江原真二郎が内閣書記官を演じた東映版「日本のいちばん長い日」がある』と連絡をよこしたので早速、調べてみると1962年に製作された小林恒夫監督の「八月十五日の動乱」(東映東京)がそうらしおます。で、よくよく落ち着けばええものを、お友達に「見つけたx~」と返事したのはよかったけれど、いざ再生してみると、ちごうとりました。
 見つけ出したのは1952年の関川秀雄監督の「黎明八月十五日」(東映東京)なのでおました。
 しかし、「八月十五日の動乱」より10年も以前に同じ東映東京撮影所が『日本のいちばん長い日』を製作していたんでおますな。意外な「みっけモン」でおました。1952年といえば、東映が3社合併で新しい映画会社としてスタートして2年目、まだまだ経営難にあえぐ貧乏会社のころでおます。


 
 
 製作・マキノ光雄、企画・岡田寿之(のちの岡田茂)とくれば、バリバリの東映映画でおます。監督の関川秀雄は、この種の社会派映画と呼称される映画を数多く撮っているおっちゃんで、脚本が過去形の文章で知られた八木保太郎(助手に西沢裕とあり、のちの脚本家、西沢裕子のことか?)で、プロデュサー、監督、脚本ともに往時の東映東京のお堅い映画を発表した映画人がタッグを組んでおります。
 
 映画の冒頭、八月十五日の動きを忠実に再現した旨のタイトルが出てきて、これは多分に戦争終結をめぐる政治家や軍人たちの動きを示しているものと思われますが、この作品には政治家や職業軍人ばかりでなく、一般市民を代表して当時の東京に住む人たちも登場してはります。
 官憲の横暴さにもめげず、活躍する新聞記者の岡田英次、憲兵の卑猥な取り調べに抵抗して二階からとび下り、片足を負傷してしまう香川京子、その姉で子どもを学童疎開させている丹阿弥谷津子、彼女たちの知り合いのラジオの脚本家で、軍部への協力ドラマを書きつつ、完成するまでに敗戦の日を迎える河野秋武、軍隊を脱走した夫の信欣三を目の前で射殺されてしまう主婦の岸旗江、窮乏生活に口喧嘩も絶えない花沢徳衛、戸田春子の夫婦、敗戦と知るや、焼け跡の瓦礫の中から金もうけを企む町内会長の三島雅夫なそが一般人を代表して登場し、政治家の閣議、軍人の騒ぎなどと同時進行でドラマを彩っております。

 一方のポツダム宣言を受諾するかどうか、閣議を開いては結論を導きだせない内閣の面々や職業軍には鈴木貫太郎首相をモデルとしたらしい青山杉作以下、滝沢修、佐々木孝丸、松本克平、最初にちょこっと出てくるだけの千田是也などなど、一般人を演じた俳優ともども戦後の左翼系独立プロの映画でおなじみの新劇人が顔を揃えてはります。スター級の映画人を使えなかったことは俳優の専属制が厳としてあった当時、新会社の東映には俳優を貸すなという既存の映画会社の協定もさることながら、貧乏会社ゆえのお家事情も裏にはあったんでおますやろね。
 
 記録フィルムの断片を織り込み、それをドラマ部分とつなげて全般に『真相はこうだ!』的な暴露の色合いがあることは敗戦後7年という時間の経過からは無理もないことでおますが。内閣の閣僚たちの話し合いを見ていて「それって、責任の丸投げじゃね?」と思ってすまうのは僕だけかしら?
 天皇の「ご聖断を仰ぐ」という美名のもと、何度か天皇の決済を得ようという言葉が出てくるのでおますが、結局は誰も責任を取ろうとしないアレですな。今も変わりまへん。政治体制が変わったから今でこそ、国家の存亡を決する重大事に天皇の「ご聖断」を仰ぐということないけれど、この当時、その美名のもと、内閣のおっちゃんたち、最終判断を天皇に押し付けてるだけじゃんというカッコ悪さでおます。
 そのくせ、ポツダム宣言受諾にあたり、天皇の地位保全、武装解除は日本の手でなどと勝手なことをぬかしている軍人もいる始末でおます。人(当時は現人神)に責任を押し付け、自分の身の保全だけを考えとるん? でおます。

 映画とは関係ないけれど、閣僚の一人として大臣役に田辺若男という役者のおっちゃんが出とります。田辺若男って・・・・小説家の林芙美子の若いころの同棲相手だった人なのでは? もっとも、この映画が出る前年、林芙美子はあっちの世界に旅立っちゃてたけどね。


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