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2013-11-06

チラシを見ても映画を観たことにはならねえ22

              チラシ フィルムセンター13102

 花のお江戸に住まいするお友達から、いつものようにチラシが送られてきました。
 ところが、いつ届いたのか、郵便受けの小さなホコラの天板にぴったり分厚いはずの封筒が張り付いていて僕が気づかなかったため、開封すると多くの催し物の上映期間が過ぎており、ゴメンな、○之君!
 せっかく送ってくれていたのにぃ~。
 そんなことを先夜、久しぶりにかかってきたスカイプでぐだぐだと彼と話しましたが、彼は最近、成瀬巳喜男監督の松竹からPCLへ移籍した第4作に当たる「サーカス五人組」(1935年)という映画を観たそうでおます。『学生映画のノリみたい』と彼は言っておりましたが、戦後、穴を深くほじくるように男と女の秘め事を繰り返し描いた巨匠も若いころは、軽い調子の中編映画をたくさん撮っておりますな。
 ということで、今回は名画座ではおまへんが、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「よみがえる日本映画 東宝篇」からスタートでおます。
 このシリーズは文化庁の特別事業費を使って映画保存のためにかつての映画会社が製作した膨大なフィルムを新しく焼き直し、公開している催しでおますが、いかんせん、限られた地域の観客の目に触れることしかないというのが残念でおます。
 東宝篇で上映されているのは1933年の「純情の都」(監督・木村荘十二)から1955年のオムニバス映画「くちづけ」(監督・筧正典、鈴木英夫、成瀬巳喜男)までの20作品でおます。いずれもカラー、ワイド映画は日本映画にとっては夢の世界であったころのモノクロ、スタンダード画面が楽しめそうな作品ばかりでおます。
 いずれも大作、ヒット作ではなく、中編、短編の忘れさられてしまった映画の掘り起こしがうれしおますな。




チラシ錦之助131102

 熱烈な中村錦之助(のちの萬屋錦之介)ファンが主宰するファンクラブ企画の錦之助映画の特集でおます。今月16日から東京・池袋の名画座で始まります。上映作品の詳細については少し前の当ブログで勝手なことをほざいてますので改めて記すことはおまへん。
 「ボギー~、貴方の時代はよかった~」と昔、そんな歌がはやったことがおましたが、錦之助に限らず、大川橋蔵、市川雷蔵、その他もろもろの昔日の時代劇映画を観ていると、現在たま~に製作される時代劇映画は壊滅的状況に瀕していることがよくわかります。もっとも現今、時代劇ドラマ、殊にチャンバラが必要とされていないこともありまんねんけどね。
 もはや映画の中でもサムライは絶滅したということでおますやろか。

               チラシ小津131102

 またもやの巨匠の特集上映でおます。
 神保町の名画座で今月から来年1月にかけて「生誕110年、没後50年記念 映画監督・小津安二郎」がおます。前期と後期の2部公開で、現存する全小津映画を前期はトーキー作品、後期はサイレント作品が上映されるそうでおます。
 ま、小津映画は何度観ても面白いし、いや、観るたびにその年代の自分と対話できるのがよろしおま。それだけ年齢を経るごとに自分の何かが成長、あるいは変化しているってことでおます。50年以上昔にフィルムに刻まれた諸現象は変わっていないのにね!

               チラシ日活131102

 阿佐ヶ谷の名画座で上映中なのが「蔵出し! 日活レアもの祭」でおます。
 裕次郎、アキラ(なぜか、名前を呼ぶ時はカタカナになる)、トニー、錠さん(なぜか名前を呼ぶ時はさん付けになる)の映画は言うに及ばず、日活ニューアクションと呼称された渡哲也映画やSP物と呼ばれたモノクロの添え物映画まで、浅丘ルリ子、芦川いづみ、笹森礼子、松原智恵子などが美貌を競ってはりますな。チラシでアキラたちが大股開きで踊っているのは当時、大流行したツイストですな。
 ところで、お友達に聞いた話でおますが、今は貸しスタジオになっている日活撮影所の一部が売却され、マンションが建つそうな。すぐに思い出したのが大映京都撮影所でおます。今や、マンションや保育園に姿を変え、平和な市民生活の地域になっており、かつて映画の工場であったことを示すのは敷地の片隅に往来に面して造られた映画賞のレプリカを飾った一角だけという状況でおます。
 日活撮影所は、トニーがゴーカートで事故死した大道具倉庫も消えるそうでおます。

 レア物といえば、「発掘! 幻の大宝映画」がまさにそう。
 残念ながら上映期間は過ぎちゃってますが、大蔵貢の新東宝が倒産した後、新東宝のプロデュサーだった佐川滉が立ち上げた映画プロが製作した映画を配給した会社が大宝映画だそうで、わずか6本の映画を残し、解散。短命に終わった映画会社の前例に漏れず、制作された映画は失われたものとされていたのが発見されたそうでおます。
 有名なのは大島渚監督の「飼育」だけで、これは当然、今でも観ることはできますが、残り5本は、はっきり言って大蔵新東宝の映画そのもの。今回上映されたのは「黒と赤の花びら」(監督・柴田吉太郎、1962年)と「黒い傷あとのブルース」(監督・小野田嘉幹、1961年)の2本。なにやら昭和30年代の歌謡曲のタイトルのようでもおますが、丹波哲郎に三原葉子、細川俊夫、大友純、松浦浪路など、かつての大蔵新東宝のスクリーンを飾った俳優が出ているあたり、プロデュサーつながりなんでおますやろね。

              チラシ神保町131102

 神保町で上映中の特集は「神保町、御茶ノ水、九段下 本の街ぶらり映画日和」で、今月22日までだそうでおます。
 地元・神保町界隈を舞台にした、あるいは縁のある話で繋がる作品17本を集めとります。
 かつて、お江戸に下った際、ボクもJR御茶ノ水駅から神保町の古書の街までテクテクしたことがおましたが、ほかでは見られない独特の雰囲気を楽しんだものでおます。当時はJRではなく、まだ国鉄でおまいたけどね。

 今月末から有楽町朝日ホールで上映が予定されている特集が「生誕100年 中村登」でおます。
 いまや、忘れられつつある映画監督の一人で、若い人でこの人の名前を知っている人がいれば「アンタ、よう頑張ってはるなぁ」と見識の深さは脱帽物でおます。それくらい、このかつての松竹映画を支えた人の活動期から遠く時間が経っているのでおます。
 上映される作品は娘役を脱皮しつつあった桑野みゆき主演の「夜の片鱗」(1964年)、山田五十鈴、笠智衆が夫婦を演じるホームドラマ「我が家は楽し」(1951年)、大人な女優になろうと必死だった時代の岡田茉莉子主演の「土砂降り」(1957年)でおます。
 ところで、ボクが中村登監督の映画をリアルタイムで観た最後の作品は「三婆」(1974年)だったような気が……。

              チラシ清順131102

 もう終わってしまったけれど、神保町の名画座のスクリーンを飾った特集が「祝卒寿 鈴木清順」でおました。
 卒寿だなって、もう年齢を数えることは卒業しちゃったのね。
 老いてなお盛んな活動を…と思っていた清順さんも、さすがに90歳を迎え、このところ鳴りを潜めておりますが、シャープなショットのつなぎと思いきった色づかいを見せた清順映画を総覧するにはいい機会でおましたかもね。

 これも終わってしまった特集でおますが、阿佐ヶ谷で上映されたのが「Prisoner♀(メス)残酷!おんな刑務所」でおます。
 大奥映画と同じく、かつては女子刑務所を舞台にした映画も禁断の花園でおました。今、かつてのような内容の映画ができれば、即法務省からクレームが来そうでおます。代わってテレビの2時間物で時々、女子刑務所を舞台にしたドラマがおますが、あれも禁断の花園をのぞくという趣味から出たものでおますが、あくまでスポンサーがついているテレビでおますから、やむなく罪を犯した服役者が更生に向かって力強く生きていくお話になっております。
 この特集で取り上げられた緑魔子主演の「おんな番外地 鎖の牝犬」(1965年)を観てきたらしいお友達は、女囚のひとりに扮していた浦辺粂子にひどく感心しとりました。この手の映画は脇役がおもろないと、作品そのものが退屈でおます。退屈させない脇役陣が今、どれほどいることですやろか?

               チラシB級映画131102

 送られてきたチラシを繰っていると、80~90年代の日本のスクリーンを沸かせたジョン・ローンの「ラストエンペラー」が載っていたので、何かいな? と見ると、神奈川県・川崎市市民ミュージアムで開かれている「1980年代の大衆文化展 back to 1988」のチラシでおました。
 80年代といえば、ちょうど日本映画の製作状況に変化が起こったころでおますな。撮影所システムの工場式映画生産の時代が終わり、映画会社も四苦八苦、もはや映画会社が単独で製作費用を賄えなくなり、他産業からの資本注入を迎え、やがて制作委員会方式へつながっていく時代で、世の中、バブル全盛だったのに、映画は既にバブルの時代は終わり、まさに「泡沫」の時だったのでおますな。

 最後に外国映画も……。
 渋谷で公開されていたのが「エドガー・G・ウルマーとゆかいな仲間たち」で、いわゆる映画通をくすぐるB級映画群の特集でおました。洗練されたデザイン、快適な座席の映画館より、コンクリート討ちっぱなしの床に坐り心地の悪い椅子の映画小屋でこそ、面白味の増す映画でおます。怪奇物あり~の、犯罪物あり~の、SF物あり~の雑多な計24本、ぜひ観たかった特集でおます。



    
 
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