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2013-09-01

私は道具じゃないの「続大奥(秘)物語」

              続大奥(秘)物語130824

 他人の秘密をのぞくというのは楽しく、自分に被害が及ばない限り面白いものでおます。
 そんな、のんきなのぞき趣味に目を付けたのが60年代末期、当時の東映のプロデューサーだった岡田茂が陣頭指揮をとって始まった大奥物映画でおます。
 大奥といえば、江戸城の将軍の後宮。住んでいるのは将軍に仕える女ばかり。正妻さんを筆頭に子ども作りのために用意された若いべっぴんさんたち、彼女たちの世話をする女官から食事、清掃などの下働きの女たちで、まさに「女の園」でおます。
 その「女の園」で日夜、女たちはどないなことしてはるんやろう? と大奥には立ち入ることができなかった男ならば、誰しも興味津々。男ばかりでなく、女性も自分たちの同性が江戸城の奥深く、城外へ出るのもままならないキャリアウーマンたちがどないして暮らしてたんやろうと興味津々でおます。

 「女の園」の生態は、本格的な大奥物映画の第1作ともいえる「大奥(秘)物語」(1967年、監督・中島貞夫)であらまし描かれ、以後のこの手の映画はその時代の人気女優を並べて第1作の焼き直し作品ばかりといっても過言ではおませんが、佐久間良子、藤純子、小川知子、山田五十鈴などが妍を競い、大奥という物珍しさも手伝い、この第1作はヒットしました。映画がヒットすれば2匹目のドジョウを狙うのは映画界の常套手段で、その年のうちに製作された続編は将軍の死によって後宮勤めをリストラされた子作り用勤務の女たちがどう生きたかを、同じ中島貞夫監督、国弘威雄、中島丈博脚本によって描いた「続大奥(秘)物語」でおます。



 

 



 主演は、第1作の「大奥(秘)物語」で妖艶な岸田今日子とレズちゃって、将軍の子どもを身ごもると断固、岸田さんの愛慾を拒否して命を落とす女を演じた小川知子で、この時、まだ新人の域を出ていなかった彼女は京都市民映画祭(今はおません)の助演女優賞に輝やいとります。
 とはいえ、この後、すぐに彼女は歌手に転身します。映画は監督のもので、歌手なら自分が主役でいられるという理由で。しかしながら後年、信仰にまい進したまなじりをつり上げていたころとは違い、まだ、このころの小川知子は少女そのものの風情で、そのためか、男ばかりでなく同性にも狙われやすかったようで、第1作の岸田今日子に続き、続編でも万里昌代のおねえさまに狙われちゃってます。

 将軍の子作り予備軍の女として大奥へ入った小川知子さん、もともと丹前風呂(現在のソープランド風社交場)の下働きをしていたのが一躍、若年寄(小沢栄太郎)の養女となって大奥入りします。この若年寄の小沢さんは次期老中職の座を狙い、そのために将軍の子どもが産める娘が必要でおました。この橋渡しをしたのが知子さんの義理の父親でもある御家人(西村晃)でおます。この西村とうさん、将軍直結の家臣でありながら目見得以下という身分の低さから、若年寄と結託し、裏から幕府の政治を画策し、ひと泡吹かせてやろうと画策しております。結局はピカレスクロマンの脇役の定石通り、ひと泡吹かせるのが自分がひと泡吹かされてしまうのですけどね。
 ところで、知子さんが丹前風呂で働くシーンに母親も登場します。母子一緒にソープ勤めでおます。母親のほうはソープ嬢で、演じているのが木暮実千代さん。客の西村さんの世話をしとりますが、既に熟女となっていた木暮さんのソープ嬢は痛い! の一言。もちろん、マッパ姿ではおませんけどね。

 知子さんが上がった大奥には腹違いの姉(桜町弘子)も将軍の子作り予備軍として奉公しとります。将軍家治(三島雅夫)には厄介なフェチがあり、姉妹とか従姉妹とか、血縁の者をお妾さんにする性癖があり、桜町のお姉さんは表面では「久しぶり~」「妹が大奥へ来て心強い」などと知子さんをうれしがらせるのですが、内心では若い妹に将軍を取られはしまいかと妹の出現で嫉妬にトチ狂っております。
 揚げ句のはて、将軍とベッドインした時に「私と妹と、どっちが好きなん?」と将軍に迫り、その場限りのナマ返事をした将軍さん、つくづく桜町に嫌気が差し、側近の若侍(新田昌玄)に拝領妻として下げ渡してしまいます。
 大きく計算が狂った桜町さん。末は次期将軍の生母にと意気込んでいたのに、好きも嫌いもなく旗本の妻にされてしまって愛のない生活を無味乾燥に送らざるを得なくなってしまいます。しかし、旗本の妻になった直後、将軍が急死し、大奥の掟により子どものいない子作り予備軍の女たちは尼僧生活で余生を送ることになっており、彼女はこの掟から免れ、そればかりか、新将軍の子どもの乳母として大奥へ返り咲くのでおます。大奥を追放されてクサっていた桜町さん、人生は何が幸いするかわからしません。

 将軍が亡くなると、大奥は総入れ替えでおます。亡き将軍に仕えていた女官たちは立ち退き、代わって新将軍に仕える女官の世界になります。しかし、亡き将軍の子作り予備軍は別扱いでおます。
 男の子ならもちろん、女の子であっても子どもを産んでいるお妾さんは大奥とは別棟の一角で娘に結婚相手が決まるまで生活できますが、子どもを産めなかったお妾さんは悲惨でおます。亡き将軍の菩提を弔うという名目で一生、尼暮らし同然でおます。江戸城内に設けられた桜田御用屋敷、俗に言う比丘尼屋敷という尼寺に放り込まれてしまいます。

 かくして集められたのが知子さん以下、万里昌代、緑魔子、三島ゆり子、桑原幸子の面々。
 しかし、将軍は亡くなってもおかしくない年齢ながら、お妾さんたちは若い身空でおます。おとなしく線香くさい生活は続けられしまへん。昨日までの華美な大奥暮らしが忘れられず、また、いったん性生活の味を覚えてしまったら孤塁を守るのは無理な話でおます。ムラムラする気持ちを抑えるため、懸命に念仏を唱えていた万里ねえさんは知子さんに手を出しかけ、揚げ句の果ては大奥時代の衣装を身にまとって縊死。緑ねえさんもこっそり坊主(藤岡重慶)と仲良くなったのが発覚し、旗本の父親(村居京之輔)に手討ちにされてしまいます。

 知子さんにしても亡き父親の墓参りをするうち、姉の旦那と知り合い、いつしかしのび逢う仲になってしまいます。姉は乳母になって家庭を留守にしているものの、不義密通でおます。知れたら一大事でおますが、やがて知れ渡ってしまいます。仮り親の若年寄や姉は自分たちの立場もあることから火消しにやっきとなりますが、そのころには「これが私の本当の恋だ」と覚悟を決めた知子さん、周囲がもみ消そうとすればするほど恋心は燃え上がってしまいます。
 やがて、知子さんは老中(堀正夫)採決の法廷の場に引き出され、幕閣の誰しもが後難を憂慮して比丘尼屋敷のお妾さんと旗本の恋はなかったことにしようとする中、知子さんは「私は密通しました」とあらん限りの声を振り絞って叫ぶのでおます。その必死さに同席していた姉もタジタジ。しかし、今まで周囲の道具でしかなかった知子さんの必死の人間宣言の声も若年寄の振り下ろした一撃に消されてしまうのでおます。

 個に目覚めた女の子のお話でおます。それまで出世欲のため、性欲を満足させるため、男たちの道具でしかなかった女の子が初めて知った恋を通して人間であったことに覚醒するという、お話としてはよく練られておりますが、惜しむらくは佐久間良子、藤純子、山田五十鈴を並べた第1作より女優陣に豪華さが欠けております。1作目がヒットしたから2作目は…の、これも2匹目のドジョウの運命でおますやろか。
 当初、桜町弘子が演じた姉の役に今や伝説の女優となった瑳峨三智子が予定されており、映画雑誌(近代映画)のカラーグラビアを飾っとりましたが、ドタキャンの連続で撮影現場に現れず、ついに降板。急きょ、桜町がピンチヒッターに。しかし、瑳峨ミッチーと桜町では、このアクの強い姉役を演じるにはキャラが違うております。もし、瑳峨ミッチーが参戦していれば、もっとドロドロした妖しさが出たはずでおますが、これ以降、瑳峨三智子はスクリーンやテレビから消え、これが伝説の女優の道を歩む第一歩でおました。





 
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