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2013-06-01

愛染コンビのメロドラマは「花」

              花130601

 華道の家元の田中絹代と歯科医師の上原謙がたがいに魅かれ合っているのに、なかなかゴールインできない吉村公三郎監督の1941年の松竹メロドラマでおます。

 田中絹代と上原謙といえば、松竹のすれ違いメロドラマのヒット作「愛染かつら」(1938年、野村浩将監督)で高石かつ枝と津村浩三を演じたコンビでおます。大ヒットを記録し、この翌年、「続愛染かつら」と「愛染かつら・完結篇」が製作され、女性観客の紅涙を絞ったとか。
 津村浩三は個人経営の大病院の御曹司、高石かつ枝はその病院で看護師として働く子持ちのキャリアウーマンでおます。余談でおますが、現在はかつての看護婦も今は看護師と表記されとりますが、友達に聞けば最近は女性看護師と表記するそうでおます。看護師といえば古来、女性の代表的な職業でおますが、昨今は男女雇用機会均等の流れのせいかどうか、男性も進出しているため、わざわざ女性看護師という表記になっているのでおますやろうね。

 さて、この「花」はいろいろと紆余曲折があって、美貌の華道家元と青年歯科医師はやがて結ばれるであろうというところで終わってますが、そのほかの登場人物たち、たとえば、この2人を応援する上原謙の妹や友人の笠智衆、家元の父親の愛人で母親代わりの岡村文子、、献身的なばあやの飯田蝶子、医師兄妹の母親の吉川満子、家元に惚れてボロンチョンにフラれる近衛敏明など、主人公2人を取り巻く人たちの顔ぶれは、だいたい「愛染かつら」の人物たちと似たり寄ったりでおます。

 この1941年といえば、日本がアメリカを相手に戦争を始めた年でおます。昭和の「十五年戦争」もいよいよ大詰めに入った年と言えますが、そんな時に悠長なメロドラマが罷り通っていたのでおますな。映画が国民へのプロパガンダとしての役割を全面的に担うのは、まだもう少し先のことだったとはいえ、このころの世の中の空気というのは、そのころに生まれていない者にとっては当然、実感はおません。

 この映画を観ていて、原作者が吉屋信子であることから、この時代より26年後、テレビドラマ(佐久間良子主演)や舞台(司葉子主演)にもなった小説「徳川の夫人たち」を思い出しました。
 映画の主人公の家元は女性として凛とした気高い女性で、出入りする弟子たちから尊敬されとります。同じく「徳川の夫人たち」のヒロイン・お万の方も嫌も応もなく徳川家光の側室になったものの、気高く生きて周囲の崇敬を集める女性として描かれとります。
 これ、吉屋信子ならではでおますな。少女小説作家として出発した吉屋信子は、女性の女性であるがゆえに男性との恋に苦しむ主人公を多く描いとりますが、その主人公は作者にとっては完全無欠の女性像であることが吉屋文学のミソでおます。
 吉屋信子は同性愛者であったと噂されとりますが、作者が惚れ込むほど主人公に情熱を託すという点からもむべなるかなでおます。



 
          
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