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2013-05-09

生煮えな感じの「空想部落」

             空想部落130508
              まだ髪の毛があった三島雅夫(左)と殿山泰司 

 東京在住のお友達さんが今月、CSの映画チャンネルで尾崎士郎の小説を映画化した「空想部落」という作品が放送されていると連絡があり、早速観てみました。
 東宝配給(クレジットでは「提供」)で、南旺映画第1回作品だとか。南旺映画といえば、マキノ正博監督の戦時中とは思えない楽しいオペレッタ映画「ハナコさん」も確か南旺映画だったような……。
 尾崎士郎といえば、ボクは長い、長い「人生劇場」全編しか読んだことはおませんが、1936年の作品とか。それを八田尚之が脚色し、千葉泰樹が監督した1939年の映画でおます。1939年といえば、既に日本は将来、アジア近隣諸国(主に中国、韓国)に禍根を残すことになる日中戦争が始まっていたころで、日本の軍部やマスコミが「日本軍の勝利、勝利」の情報を流し、日本国中がまだまだ湧いていた時代でおますな。俗にいう「十五年戦争」、大変な負の遺産でおます。

 映画は、そんな軍時ムードはいっさいおません。現在の東京・大田区にあったという馬込文士村が舞台でおます。あまり売れていなさそうな文士や絵描きが同病相哀れむの言葉通り、それぞれが貧乏暮らしをしている一角に起こる、文士村出身でアンナン(現・ベトナム)の独立運動に挺身していたという触れ込みで帰ってきた男に文士村の皆さん、振り回されるという喜劇でおます。
 振り回す男に千田是也、振り回される面々に三島雅夫、薄田研二、殿山泰司、小沢栄(のちに栄太郎)、信欣三、松本克平など、戦後の舞台、映画、テレビに顔を出していた新劇のおっちゃんたちでおます。この時代、上に掲げた画像のように三島雅夫、殿山泰司はまだまだ髪の毛がおました^^
 このおっちゃんたちの女房に扮しているのが原泉子(のちに泉)や赤木蘭子、沢村貞子と、これまた新劇関係のおばちゃんたちで、殿山泰司と沢村貞子が原作者の尾崎士郎と当時、夫婦であった宇野千代らしいのでおます。

 映画は前半、文士村のグダグダ生きている、男たちは暇さえあれば安酒をかっくらっている生活ぶりを描写し、その時代から6年後、住居表示も変わり、周囲の環境が様変わりした中、振り回す男が帰国してきて懐かしの面々がこの男に振り回されるのでおますが、別段、実害があるわけでなく、帰国した男はホラを吹きまくるだけ吹きまくり、姿を消すだけでおます。
 それを喜劇仕立てでみせていくのでおますが、どうも空回りしているような進み方で、シニカルな笑いもなければアホな笑いも起こりまへん。戦後、何でも手堅く演出することになる千葉泰樹ながら文字通り、ちょっと、いや、かなりご退屈さまでおます。
 中川一政が美術監修をし(美術は小池一美)、撮影は中井朝一、音楽は深井史朗と、これまた将来の大物ばかりが顔を揃えているのでおますけどね。



 
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