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2013-04-01

大友おじさんの「危うし!怪傑黒頭巾」

              危うし!怪傑黒頭巾130329

 不器用と言われながらも、柔と剛、どちらのサムライも演じることができた大友柳太朗の「怪傑黒頭巾」シリーズ(原作・高垣眸)の最終作(1960年、東映京都)でおます。
 シリーズが始まったのは1953年というから60年前、当時生まれた赤ちゃんも60歳の齢を重ねているから古い話でおます。当然、モノクロ、スタンダードの時代で、東映時代劇映画が全面、シネマスコープの時代に入った1958年、ワイド、総天然色で再度、1作目と同じタイトルで製作されとりますが、監督は期待の新人だった松村昌治。以来、同シリーズを一手に引き受けてはります。といっても3作だけでおますが……。その3作目にして、シリーズ最終作となったのが、この「危うし!怪傑黒頭巾」でおました。

 時は幕末、薩摩藩、長州藩の勤皇方はええもん、幕府方の佐幕方はわるもんと単純、明快な色分けで、これはシリーズを通した共通認識で、大友さん演じる白馬にまたがった黒頭巾こと、山鹿源之助は当然、勤皇派の若侍でおます。
 この人、コスチュームフェチがあるのか、颯爽と現れ、同志たちを危機から救う黒頭巾のほか、アコーディオンをかき鳴らす演歌師のおにいさん、ひょうきんな八卦見の与作さん、敵方に潜入しては片方の目にアイマスクをした見張り人や労働者、果ては色黒の異邦人など、いろいろに変装してはります。
 しかし、どれをとっても一発で「大友柳太朗!」と分かるのは、ご愛嬌でおますが、同じようにさまざまに変装して「七つの顔の男」と自らを謳った片岡千恵蔵の「多羅尾伴内」シリーズと同じで、あれ式の変装で味方も敵もなんでわからへんのやと子どものころの大いなる疑問でおました。






 さて、最終作でも黒頭巾のおじさん、大活躍でおます。薩長連合を画策する坂本龍馬(加賀邦男)が清国から仕入れた火器弾薬をめぐって幕府方の大目付(進藤英太郎)たちと争奪戦を繰り広げ、そこに荷物の中に火器弾薬をしのばせて日本に来た清国の雑技団の人たちが絡みます。
 雑技団の団長(近衛十四郎)は秘かに勤皇方と気脈を通じる日本びいきのおじさんで、長崎奉行(御橋公)の息子ながら倒幕運動に奔走する若侍(伏見扇太郎)を助けたりしとりますが、清国の貿易業者(三島雅夫)と手を組み、自分たちの企みに邪魔な長崎奉行を暗殺した大目付に勤皇方との仲を疑われ、あっさり命を落としてしまいます。そればかりか、長崎奉行暗殺の罪を黒頭巾になすり付け、いつもながら進藤英太郎、三島雅夫扮する悪役はしたい放題のワルでおます。殊に三島雅夫は団長の妹、麗花(丘さとみ)に目をつけ、色と欲との2本立てで、そのワルに加担するのが戸上城太郎、本郷秀雄と役者も揃っております。

 長崎奉行を殺害したのは黒頭巾だと大目付から吹きこまれた奉行の娘(桜町弘子)は、おかげで幼い弟(住田知仁=のちの風間杜夫)を連れて仇討ちの旅に出るハメに。その黒頭巾によって貿易業者の魔の手から辛くも逃れた麗花さんは、自分たちの雑技団に出入りする、黒頭巾が変装した演歌師にどうやらホの字でおます。それが面白くない本郷秀雄の団員は恋に破れた怨み大きく、大目付方に走ったのでおます。
 奉行の息子の若侍は無事、火器弾薬を手に入れたものの、坂本龍馬に届けるため、荷馬車の大編成を組み、長崎を抜け出すのでおますが、それを大目付方が追いかけます。

 余談ながら、このシリーズでかつて角兵衛獅子姿で主題歌を歌っていた松島トモ子も出てはりますが、わずか数年で成長したのか、もはや角兵衛獅子でもなかったのか、スリットの入ったクーニャン姿で雑技団の女の子を演じてはります。そういえば、この最終作ではラストにメロディーが流れるだけで、主題歌は歌われておりまへん。そして、雑技団のバックダンサーの一人で、のちにライフル銃を撃ちまくっていたのが大部屋女優時代の三島ゆり子おばさん(当時は木内三枝子)でおました。

 映画は終盤からが見もので、西部劇に出てくるような幌を張った荷馬車隊と大目付方の銃撃戦が展開するのでおますが、もう、まるでジョン・フォード監督の「駅馬車」なんでおますな。東映時代劇では見慣れた陸上自衛隊の演習場を舞台に、今では考えられないほどの馬が荷馬車隊、大目付方に用意され、アップ、俯瞰、スクリーンプロセスなんでもござれでスピーディーかつテンポよく展開します。黒頭巾のおじさんが二丁拳銃で愛馬を疾走させるかと思うと、麗花さん以下、腕に覚えがあるのかどうか、雑技団の連中がライフルを撃ちまくってます。

 東映時代劇ならではの何でもありでおますが、一件落着後、自分が好きになった男が実は黒頭巾と知った麗花さんと、姉とともに黒頭巾に助けられた奉行の幼い息子に見送られ、黒頭巾のおじさんは靄の立ち込める中をさらなる活動のため、愛馬にまたがって走り去っていくのでおますが、以後、われわれは遂に黒頭巾のおじさんに遭遇することはなかったのでおます。
 どこ、ウロウロしてはるんやろう?

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