--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012-09-15

久しぶりの阪妻映画は「天狗の安」

              天狗の安2 120914

 利権と女との欲の二本道を突っ走る親分に騙された鉄砲玉が、事実を知って報復に出る阪東妻三郎主演の股旅映画でおます。
 子母澤寛の原作を比佐芳武が脚色し、松田定次が監督した1951年の東映時代劇で、戦後は大映、松竹を本拠にしていた阪妻さんの東映映画は珍しく、あの世に旅立った年(1953年)をさかのぼること2年前の作品でおます。

 DVDはまだ存在せず、家庭用ビデオですら夢想しえなかった時代、阪妻作品のいくつかの声を収録したLPレコードで、この作品の一部を聴いたことはおますが、以降、ビデオやDVDで個人的に映画を録画できるようになって、ようやく、声だけでなく映像にも接することができました。
 とはいえ、どうということのない映画ではおますねんけどね。



 阪妻演じる江戸育ちのやくざ、天狗の安太郎が一宿一飯の恩義(やくざ社会の不文律の互助制度)で、ワラシを脱いだ親分(進藤英太郎)と敵対する親分(小堀誠)を傷つけ、相思相愛の芸者(入江たか子)とも別れて姿をくらまします。

 もう、これだけの話で、どう展開するか、分かりますよね。
 ほったらかしにしてきた芸者のことが気にかかる阪妻さん、数カ月後、旅先で知り合った娘手踊り一座の太夫(花柳小菊)らとともに土地に乗り込むと案の定でおました。
 小堀親分はかろうじて命を取り留め、寝たきりの身。息子(大友柳太朗)が跡を継ぎ、進藤親分と拮抗しとります。進藤親分、どうしても小堀親分の縄張りがほしくてたまりまへん。とうとう、ある夜、用心棒の浪人(戸上城太郎)を安太郎に化けさせ、小堀親分を殺害してしまいます。
 殺害現場に「安」と書かれた笠が残っていたことから阪妻さん、大友柳太朗から「親の仇!」と狙われるのでおますが、阪妻と大友の対決、新旧(当時)の時代劇スターの顔合わせでおます。
 それにしても、どうもイケてまへんな。犯人がわざわざ証拠となるようなものを堂々と現場に置いていくか―とツッコミたくなります。

 さて、安太郎の愛する芸者はどうなったのか?
 女も狙う進藤親分の秋波にもなびかず、安太郎に操を立てる意地を張り通しとります。そのために、かわいそうに縛られて土蔵に放り込まれとります。SMの縛りやおません。かわいさ余って憎さ百倍の進藤親分が逃さないよう、身動きの取れないように縛ったままなんでおますな(画像参照)。
 だから、ちょい入れ歯の不具合が気になる入江たか子さん、最初と最後を除いては登場するたびに後ろ手に縛られたままでおます。

 諸悪の根源は進藤親分と判明し、阪妻さんは土地の大掃除を展開し、彼に惚れていた太夫や一座の面々に見送られて愛する女とともに江戸に向かうところでチョンでおますが、ひとり面白い人物がいてました。

 それは、かつて、阪妻と入江たか子が逢瀬を楽しんだ料理屋の主人で、このおっちゃん、進藤親分から「安が現れたら知らせろよ」と脅されるのでおますが、それを敵対する小堀親分側に注進します。てっきり小堀親分側の町人かと思いきや、今度は何かの時に進藤親分に通報してはります。
 実にリアルな人物でおますな。やくざ同士の対立など知ったことかと考えているのか、それとも、どちらかの親分が倒れても顔が立つように商売上の営業政策を考えていたのか、ほんのワキの人物ながら妙に現実味のあるおっちゃんでおます。
 演じていたのが水野浩という、いつもは善人役の多い俳優だったので、余計に「うむうむ…」なのでおました。

関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

青山彰吾

Author:青山彰吾
 日本映画を中心にしたコーナーです。
 ただし、取り上げる映画は偏っています^^
 
 

最近はこんなんです^^
ゲストのひと言
テーマ紹介
FC2カウンター
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

在庫の記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。