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2012-08-18

姐さんも殴り込みに参戦の「関東テキヤ一家」

               関東テキヤ一家120814

 博徒ではなく、香具師(やし)の世界を描いた菅原文太主演のシリーズ第1作(1969年)でおます。
 新東宝の瓦解後、女優天国の松竹に移籍し、自分のキャラクターを生かせないまま腐っていた文太が1967年、男優天国の東映へ引っ越し、当初は「網走番外地 吹雪の斗争」(監督・石井輝男)でワルを演じたり、化け猫映画の「怪猫呪いの沼」(1968年、監督・石川義寛)でもワルを演じたり、若山富三郎主演の「極道」(1968年、監督・山下耕作)で寡黙な子分を演じたりした後の、ようやくの主役登板で、プロデューサーの俊藤浩滋が試験的に主演させたところ、評判がよかったのでおますやろね、シリーズ化され、1971年までの3年間で5作品が製作されとります。

 監督は、当時、中島貞夫とともに任侠映画シラケ派だった鈴木則文で、1975年から始まり、コンビを組むことになる「トラック野郎」シリーズに先立つこと6年の出会いでおます。
 脚本は、笠原和夫とともに任侠映画のシナリオを多く書き続けた村尾昭で、やくざとテキヤはどう違うねんといえば、劇中、誰かが言っている「俺たちは無職(ぶしょく)と違うんだ。立派な商人なんだ」の一言に尽きますな。各地の祭りなどでお馴染みの露店商でおます。
 露店商といえば、「男はつらいよ」シリーズのフーテンの寅もテキヤで、あちらは松竹大船の伝統を生かした笑劇で、こちらは東映が売りに売りまくっていた我慢劇でおます。





 我慢劇でおますから、いつもながら話は簡単でおます。
 東京・浅草の元締、嵐寛寿郎を中心に共存共栄を図る東日本のテキヤの世界を河津清三郎を筆頭とした渡辺文雄、天津敏らが大同団結を持ちかけます。団結とは名ばかりで、本心はテキヤの世界を牛耳ろうとするのが魂胆でおます。それを見抜いたアラカン親分に賛同する各地の元締の大木実、桜町弘子らが河津一派と対立。嫌がらせに次ぐ嫌がらせで、遂にアラカン親分が殺されるに及び、アラカン一家の文太が反勢力退治に立ち上がるというストーリーでおます。

 その間に、文太の友達で河津一派に所属する寺島達夫がアラカンの命を狙って逆に自分が命を落としたり、文太の弟分の待田京介が跳ね返って河津一派に殴り込みをかけて殺されたりのエピソードがおますが、殊に義憤に燃えて殴り込む待京など、もうちょっと慎重にやらんかい! と突っ込まずにはおられまへん。

 この待京、母親(東竜子)とともに露店商を営む土田早苗とラブラブな関係になっているのでおますが、「いい加減な気持ちではない。絶対幸せにする」と娘にも誓い、兄貴分の文太にも約束しているにもかかわらず、やっていることはチャランポラン。単身で殴り込んだものの、多勢に無勢、勝ち目はおまへん。というより、敵の親玉の命を狙おうというのでおますから、作戦というものがおません。怒りにまかせて乗り込んだだけで、「こいつ、アホちゃうか」なんでおますな。
 東映の任侠映画で、こういう無計画に事を運ぼうとする輩をどれだけ見せられてきたことか。もちろん、映画の必要上、作戦がなくても、ここで、こういう役回りの人物は死なないと映画は成立しないことは百も承知でおますけどね。

 友達が死に、弟分が死に、やがて大事な親分も闇討ちに遭って、我慢の度を超した文太は反撃に立ち上がるのでおます。文太に加勢するのが大木実と桜町弘子。
 ラストの殴り込みに大木実が参加しても珍しいことはおませんが、「おお!」と目を見張ったのが桜町弘子でおます。藤純子の緋牡丹お龍のようにピストルを片手に乗り込み、お姐さん、匕首(あいくち)を振り回して大奮闘でおます。
 任侠映画の時代、この元お姫様女優(姫君ばっか演じてたわけやおませんが)は上品なアラサーの年代を迎えて「博奕打ち 総長賭博」(1968年、監督・山下耕作)のごとく、「侠客列伝」(1968年、監督・マキノ雅弘)のごとく、「博徒一家」(1970年、監督・小沢茂弘)のごとく、やくざの一家の姐さん役を得意とし、ほかにも芸者、あるいは小料理屋の女将などが役どころで、ついぞ、むくつけき男どもを相手に立ち回りを見せることはおませんでした。
 それが、それが…マコにも立ち回りを見せる映画があったんですねぇー。


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