--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012-06-07

あれ、どこかで・・・の「剣は知っていた 紅顔無双流」

               紅顔無双流120605

 かつてテレビ放映で一度観たっきり、どんな内容だったのかも記憶があやしげだった、中村錦之助主演のチャンバラ(1958年、東映京都)でおます。柴田錬三郎の小説「剣は知っていた」を高岩肇、結束信二が脚色し、佐々木康監督同様、1950年代半ば、松竹から東映に招かれた内出好吉の監督作品。

 内出好吉は東映にあっては外様派ながら、片岡千恵蔵、市川右太衛門、大友柳太朗、中村錦之助、東千代之介、大川橋蔵、美空ひばりなどから、やはり外様派の高田浩吉、鶴田浩二まで当時の東映時代劇の主役級スターの作品を網羅している監督で、強烈な個性を発揮するではなく、いわば、企業にとっては、その商品作りに最も重宝した感じの職人さんでおます。集団時代劇のころには近衛十四郎主演の「柳生武芸帳」シリーズにも参加、やがて、テレビ映画の時代劇へ移っていかはりました。

 錦之助の映画デビュー作で、美空ひばりと共演した「ひよどり草紙」(1954年、松竹京都)の監督でもおます。同時に、錦之助の本格的な股旅映画といえる「雨の花笠」(1957年)を経て、この「剣は知っていた 紅顔無双流」は内出・錦之助の最後のコンビ作品であり(というより、「ひよどり草紙」以後、たった2本だけですけどね)その後、東映時代劇の全盛期を通じて2人のコンビ作品はおません。








 家康(志村喬)と秀吉の連合軍が小田原の北条軍を攻めていたころ、北条氏勝(進藤英太郎)の砦に忽然と現れた着流しの若き美剣士、眉殿喬之介――これが錦之助でおます。オープニングから登場、誠にりりしい、アイドル時代の錦ちゃんの雄姿でおます。
 ところが、この若侍、映画を通じて何をしたいのか、さっぱり分かりまへん。かつて養育してもらった氏勝に会って連合軍との仲介をするでもなく、喧嘩別れして、わざわざ氏勝の軍勢に追われる身になるとあっては、まさに何してるの? でおます。
 揚げ句、北条軍へ人質として送られてきた家康の娘、鮎姫(大川恵子)を奪還し、追われ追われている間に2人は相思相愛に。とど、柳生石舟斎(月形龍之介)まで出てきて家康に恋の成就を認められるというエンディングに至っては、喬之介どの、お主の目的はそれでござったのか、というようなもんでおます。
 男は女を求める、女も男を求める、それはそれでええんですけどね。

 映画を観ていくうちに、デジャヴではおませんが、「あれ、これって、よく似てる内容…」と思い出したのが、この映画の翌年、やはり錦之助が主演することになる「美男城」(監督・佐々木康)でおました。
 こちらも柴田錬三郎の小説を映画化した作品で、主人公はやはり漂泊の着流し侍。時代も戦国時代でおます。しかし、「美男城」の主人公は裏切り者とされた父の汚名を雪ぐというはっきりした目的があったのでおますが、喬之介さんは……わからん。
 人質となる姫も出てくりゃ、主人公を助ける山の娘(中原ひとみ)や下忍の男(片岡栄二郎)、敵方にまわってしまった友人(岩井半四郎)も出てきて、そっくり同じような造型の人物が「美男城」にも出てきてます。
 もっとも、先に製作された「剣は知っていた 紅顔無双流」を観て、その次に「美男城」を観てこそ、「あれ、これって……」となるべきなのでおますが、そこは仕方おまへん。


関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

青山彰吾

Author:青山彰吾
 日本映画を中心にしたコーナーです。
 ただし、取り上げる映画は偏っています^^
 
 

最近はこんなんです^^
ゲストのひと言
テーマ紹介
FC2カウンター
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

在庫の記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。