2012-04-19

原節子が出ていたからこその「美男城」

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 東映の時代劇村がもっとも栄えていたころの、中村錦之助主演の時代劇(1959年)でおます。
 柴田錬三郎の小説を成沢昌成が脚色、大御所的存在だった監督・松田定次とは違った意味で、片岡千恵蔵であれ、市川右太衛門であれ、大友柳太朗、錦之助、大川橋蔵、美空ひばりであれ、何でもござれの重宝されていた佐々木康が監督した、関ヶ原の戦い以後の苦悩する? 青年武士のお話でおます。

 画像にある通り、悩める表情の武士を演じるのは、もちろん、錦之助さん。翌60年の田坂具隆監督の「親鸞」、内田吐夢監督の「宮本武蔵」あたりから、めきめき? 芸術づいてしまう直前の錦之助の、いわば助走期間ともいうべき時代の作品でおますな。
 なんて話はずっとのちのなってから東映時代劇史を総覧してから分かったことで、当時、子どもだったボクにはそんなことは知るわけもなく、近所の映画館にスタコラ、この映画を観に行ったのには、ほかに理由がおました。
 その理由とは……?







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 好色な徳川家康(柳永二郎)のもとに人質として送られる姫を演じた大川恵子が出ていたからでおます。
 当時、丘さとみ、桜町弘子とともに「東映三人娘」と謳われた女優さん。1962年前半、同じ佐々木康監督の「きさらぎ無双剣」(主演・市川右太衛門)を最後にキッパリ女優廃業してしまった人で、以後、消息は紹介されることはあっても、いっさい表には出てきてはらしません。いわば、日本映画の隆盛期に女優として過ごし、そして姿を消してしまった原節子の東映時代劇版みたいな人でおます。
 その大川恵子もこの映画当時は23歳でおましたが、それから半世紀たっております。
 そんな女優さんに恋いこがれて映画を観ていたボクは…、はははは ませていたんでおますな^^

 そういえば、この「美男城」は、東映三人娘が珍しく顔を揃えている作品なんですね。
 「忠臣蔵」(58年)だの市川右太衛門映画三百本記念と大きく出た「旗本退屈男」(同)だののオールスター映画を除けば、初めて3人が同じ映画で共演した「鶯城の花嫁」(58年、監督・松村昌治)以来でおます。
 「鶯城の花嫁」では鶯城という架空のお城に住む3姉妹を演じ、最年長の丘さとみがおぼこな三女を演じ、落ち着いた感じの大川恵子が長女を、しっかり者の二女を桜町弘子が扮したという、それぞれの女優の個性を遊びとして生かした女学生映画のようなチャンバラでおました。
 「美男城」では丘さとみは、錦之助扮する御堂主馬之介の父で関ヶ原の戦いで石田三成を裏切った大名として世間にそしられ、狂気と病の中にある城主(薄田研二)の世話をする百姓娘を演じ、大川恵子は馬に揺られて家康のいる駿河を目指す姫君、桜町弘子は出世欲に目がくらむ兄(徳大寺伸)の妹で主馬之介の婚約者を演じ、それぞれ主人公にからむ役どころでおますが、「鶯城の花嫁」のように同一シーンで3人が顔を見せるというようなことは、残念ながらおませんでした。

 余談ながら、錦之助の父親を演じる薄田研二の裏切り者とそしられ、無念のうちに狂気に至る演技はみものでおます。まるでリア王ですな。さすが新劇俳優!

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