2012-01-18

近衛さんの浪人物は「三匹の浪人」

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 久しぶりに開場したマイホーム名画座は、近衛十四郎主演の「三匹の浪人」でおます。
 1964年製作、東映京都のモノクロ映画で、監督は平山亨。松田定次監督作品の助監督であり、のちにプロデューサーに転向した人で、初期の「仮面ライダー」シリーズのプロデューサーでおますな。オリジナル脚本は岩上晃とありますが、はて…?

 のちに1967年から近衛十四郎はテレビで「素浪人月影兵庫」シリーズや「素浪人花山大吉」シリーズなどに主演し、ヒットさせとりますが、映画時代から浪人物の作品が多い俳優さんでおます。浪人物ではないけれど、松竹時代から続いた「柳生武芸帳」シリーズも同じ範疇でおますやろね。

 タイトルに「三匹の浪人」とあるので、近衛さん以外の残る2人は誰か?
 ひとりは進藤英太郎でおます。かつての東映時代劇で大ワルを演じていたおっちゃんでおます。このころ、既に単純ワルの役柄は少なく、東映以前のようにさまざまな役をやってはります。ここでは坊主姿で登場してはります。
 もうひとりは高津住男でおます。当時、新劇の若手俳優で名の知れたスターでもなかった彼がなぜ起用されたのか、それは知りまへん。こちらはチンピラやくざ風の出で立ちで、なんで坊主やチンピラなの? でおますが、作中、かつては侍だったことがセリフの中に出てきます。

 こんな3人の男が一緒に旅をし、たまたま辿り着いた宿場で悪奉行や地元のやくざに苦しめられている宿場の人たちを救うという、よくあるお話の時代劇でおますな。



 ワルを演じているのは、下の画像の右側に映っているおっちゃんたちでおます。

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 右から奉行の安部徹、腹心の戸上城太郎、やくざの親分の小堀明男(一時期、小堀阿吉雄とも)の面々。日活アクション映画で悪いボスなどを演じていた安部徹は、このころから東映映画の新しい悪役として登場していたんですな。
 戦前、大都映画の二枚目俳優だった戸上城太郎は、既にズブズブの悪役俳優でおます。コワモテの面相、押し出しのいい体躯ながら立ち回りになると、そんなにやり合うことなく、すぐにやられてしまうおもろいおっちゃんでした。
 小堀明男は、いわずと知れたマキノ雅弘監督の東宝版「次郎長三国志」シリーズの主役、次郎長さんだった人でおますが、以来、もっぱら脇役のおっちゃんでおましたね。

 もうひとり、東映時代劇で忘れられない悪役の吉田義夫も出てきて、映画の冒頭から宿場の人たちをいじめてはります。こいつもワルやな…と思いきや、勝気な妹役の三島ゆり子(年齢、違いすぎるけど)に口うるさくやりこめられるおっちゃんで、おまけに利権争いのライバルである小堀明男に闇討ちされてしまうという、観客をちょっとひっかけて、あっさり消えてしまう役どろこでおます。

 映画そのものは何てことのない作品でおますが、出てくる役者で観ていくと、当時の番線を満たすだけで製作された映画も面白いでんな。グチになりますが、最近はこういう見かたはできまへん。

 ほかに人足として連れ去られた亭主(片岡栄二郎)の帰りを待つ女(千原しのぶ)の幼い娘役で、古屋三津代という子役の女の子が出てきます。今ではもう50代になっているでしょうが、このころ、映画やテレビによく出ていた、下膨れの勝気そうな表情がかわいい女の子で、松田定次監督、大友柳太朗主演の「人斬り笠」(1964年、東映京都)で大友さんをやりこめる子どもや、同じ年、木下恵介監督の「香華」(松竹大船)で主演の岡田茉莉子の少女時代を演じてますな。



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