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2012-01-06

初笑いは「次郎長三国志」。ただし東映版で


                 次郎長三国志DVD


 今年初めての映画館見参は、日本映画の旧作で幕開けでおます。
 場所は大阪・新世界、小屋はいつもの映画館で、上映期間の最終日、ようやく駆け付けて観たのはマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」(第一部、1963年、東映京都)と鈴木則文監督、ご贔屓・藤純子主演の「緋牡丹博徒 一宿一飯」(1968年、東映京都)の2本立てでおました。
正月早々、古い映画でもなかろうに…でおますが、新作映画に観たい作品がおません。無理して、ささやかな投資をする必要もおません。

東京在住の友達によれば、東京でまた、マキノ雅弘の「次郎長三国志」シリーズの特集上映があるそうで、ただし、そちらは1954年製作の東宝版でおます。
 リメイク版の哀しさか、東映版のシリーズ全4作は東宝版より世評は高いことはおませんが、ボクはどちらかといえば東映版のほうが面白うおます。次郎長一家の旗揚げから次郎長の恋女房お蝶の死までをコンパクトにまとめたシリーズでおますが、地味めの東宝版の役者連中とは異なり、マキノお馴染みのスターたちがにぎにぎしく作品を盛り立ててはります。





 この新世界の小屋では「次郎長三国志」シリーズがかかるのは3年ぶりで、今回は全4作品がかかるのかどうかは知りまへんが、前回の時は2008年の暮れから2009年初頭にかけて週替わりで久しぶりの次郎長映画の登板でおました。

 この手の映画では手だれのマキノさん(脚本はマキノと山内鉄也)、次郎長と順次、彼の子分になっていく男たちを、やくざというより、やくざ未満の不良少年と捉えているのはいつもと同じでおます。事実かどうか、割り引いて読まなければならない聞き語りのマキノ本「映画渡世」でも語られているように、マキノ自身が少年のころから半やくざの世界を見聞してきたなせる技でおますやろね。
 堅気の世界にはまらない次郎長(鶴田浩二)や桶屋の鬼吉(山城新伍)、風来坊の関東綱五郎(松方弘樹)、武士の世界を飛び出た大政(大木実)、母親に捨てられた増川の仙右衛門(津川雅彦)、破戒僧の法印大五郎(田中春男)など、不良少年とはいえ、演じている役者は皆、おっちゃん、にいちゃん(当時は)ではあります。

 改めて観て気付かされたのは、この1作目で4組の男女ペアが描かれていることでおます。
 次郎長とお蝶(佐久間良子)のペアは言うに及ばず、大政と彼を武士の世界に戻せなかった妻(小畑絹子=のちの小畠絹子)、若いのに仇討ちで追われる仙右衛門と駆け落ちしてきたおきね(御影京子)、バクチに負けて次郎長たちに裸道中をさせてしまう佐太郎(藤山寛美)と世話女房型のお徳(千原しのぶ)のペアで、殊に次郎長・お蝶と佐太郎・お徳のペアにマキノの世界がばっちりなんでおますな。
 男たちはともに手のかかるやつで、女房はそんなアカン男を支えているわけでおますが、お蝶はマキノ好みの「待つ女」であり、お徳にはマキノが生涯、憧れ続けた「母親像」が注入されとります(寛美と千原しのぶのやり取りが絶品)。

 こられのペアとは別に居酒屋の娘、お千(藤純子)をめぐり、鬼吉と綱五郎の恋の鞘当もおますが、彼らの三角関係はまだペアの体をなしてまへん。というより、男たちが勝手にお千にのぼせあがっているだけで、彼らのアイドルお千は意外にしっかり者で、不良少年など歯牙にもかけず、第三部でさっさと堅気の男と結婚することになるのでおます。

 それにしても、藤純子、すごおますな。両方の作品に出演してはります。「次郎長三国志」のほうは清水港の居酒屋の娘さんで出てはります。が、当時、まだデビューしたてのころでおます。本人もかつて言ってはりましたが、マキノ雅弘監督に演技の一挙手一投足から指導を受けていたころで、動きも操り人形のごとしでおます。
 それがわずか5年後、堂々と主役を張り、「緋牡丹博徒 一宿一飯」はシリーズ2作目で、スター街道驀進中のころでおました。

                緋牡丹博徒一宿一飯120107

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私は、東宝版の方が好きで、特に投げ節お仲の久慈あさみには萌えてしまいます。

東映版でいえば、海道一の暴れん坊のリメイク『清水港の名物男・遠州森の石松』なんかは好きだなぁ。

東映版の次郎長三国志は、鶴田浩二の次郎長が重すぎるような。

そういう意味でいえば、同時期に撮られた『若き日の次郎長』シリーズのように、錦ちゃんではダメだったのかしらね。

ボさんへ

 当時の錦ちゃんではダメだったんですね。もう錦ちゃんはあのころ、芸術づいちゃってて気楽に、こういう映画には出なかったし、錦ちゃんが次郎長をやったのは既に2年前のことで同時期じゃなかったしね。
 「遠州森の石松」は男と女の名作ですよね。ちょいマキノさん、自分に酔ってるとこなんぞ、いかにもマキノ節ですからね。 
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