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2011-12-21

「女の歴史」で大いに頑張る高峰さん

               女の歴史111221


 マイホーム名画座の今回は、成瀬巳喜男監督、高峰秀子主演の「女の歴史」(1963年、東宝)でおます。別段、高峰さんの一周忌が近いから選んだのでもおませんけどね。

 成瀬・高峰コンビお得意の女の一代記でおますな。
 とはいっても名のある女性を主人公にしているわけではなく、これまた、お馴染みの市井(この言葉、まだ生きているのかな?)の片隅で生きる美容師がヒロインで、戦争未亡人という設定。今年はパールハーバーの出来事、つまり、日米開戦から70年目で、新作映画のほうでは、またもやのイソロク映画が公開を待ってはります。

 この時代、つまり、この「女の歴史」が製作された年は先の大戦終了から18年目で、戦争で加害者の立場にあった人も、被害者になった人もまだたくさん生きていた時代でおます。





 平凡な見合い結婚をしたヒロインが戦争で夫(宝田明)を亡くし、戦中・戦後、一人息子と姑(賀原夏子)を抱えて過ごし、戦後、美容師として独立する中、亡夫の友達(仲代達矢)と再会し、秘かに魅かれ合うものの、不倫までは行かず、やがて、成長した息子(山崎努)の結婚に反対し、勝手にホステス(星由里子)と結婚した息子に交通事故で先立たれ、身ごもった嫁への嫌悪と和解で自分を落ち着かせるという、現在と過去が交錯して描かれる、女の一生がパッケージされたような作品でおます。

 男でも、女でも、この映画のヒロインが立たされたような境涯になれば、頑張るでしょう。死ぬわけにはいかないから、頑張るしかないですもんね。
 だから、この映画でも高峰さんは大いに頑張ってはります。長年、一緒に暮らしていれば本来、他人の姑にも露骨に嫌な顔をしてみせたり、口喧嘩もしたりしてますが、高峰秀子はその露骨に嫌な表情をするのに、何とサマになっていることか! 受けて立つ賀原夏子の変幻自在な演技も負けてまへんけどね。この映画は、この2人の女優がほとんど出ずっぱりでおます。

 それにしても、この映画に登場する女性たちは強おます。
 高峰、賀原はもちろん、息子の子どもを身ごもり、露骨に高峰さんから嫌味を言われる星由里子も、自分で産んで自分で育てるもーんと意地を貫こうとします。
 対して、男は…というと高峰さんの父親に扮する藤原釜足は女房の菅井きんに精気を吸い取られているようだし、賀原夏子の夫、清水元は家業が左前になると愛人と死んでしまうし、成瀬映画であるにもかかわらず、まるで豊田四郎のような映画みたい。というより、もともと成瀬映画は男たちより女が強い生命力を発揮するフェミニズム映画でおますけどね。

 冒頭、「昭和三十八年芸術祭参加作品」というタイトルが出ます。
 ああ、昔はこういうの、あったんやー、でおます。近ごろ、とんと見かけまへん。第一、現在の映画諸作が芸術祭なるものに参加しているのかどうかも不明でおます。映画会社はとりあえず稼ぐに忙しく、かつてのような余裕はおませんもんね。


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この映画を観た時、なんか高峰秀子映画の総集編を観ているような気がしました。

未亡人になるのは『二十四の瞳』や『乱れる』、息子の死は』、『喜びも悲しみも幾歳月』、仲代との共演は『永遠の人』など。

最も『乱れる』の製作は、この映画の後ですけど、鑑賞は後先で、これが映画の不思議です。

で、思うのは昭和30年代は、年代記が多いこと。この映画の成瀬はもとより、木下恵介、松山善三といった監督が年代記を発表し、ほとんどに高峰秀子が主演している。

でも、私はデコちゃんなら、『女の園』を推すなぁ。それから戦前の『馬』とか『花つみ日記』かな。

それから芸術祭の映画部門は、80年代に当時の文部省が募集を中止したのではなかったかしら。当時、そういう記事を読んだ気がする。

その時は不思議に思ったけど、今にして思えば、ごもっともな話です。

ポ友さんへ

 こんにちは。
 最近は日本映画の新作に投資するのがバカバカしいいですねぇー。
 そうなんですか、芸術祭には参加してないんですね。ということは現在、日本映画は「芸術祭不参加作品」なのですね。
 芸術祭とかベストテンとかは所詮、遊びの領域で、まだベストテンは何種類かありますが、遊びの余裕もなくなったんですね。
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