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2011-10-28
吉右衛門さん初登場のシネマ歌舞伎

今年6月の片岡仁左衛門の「女殺油地獄」以来のシネマ歌舞伎は、「左」行ったから今度は「右」行こ、というわけでもおませんやろうが、中村吉右衛門が源氏の武将、熊谷直実を演じる「一谷嫩(ふたば)軍記 熊谷陣屋」で、昨年4月、東京・歌舞伎座のさよなら公演の時の収録作品でおます。
ここ最近のシネマ歌舞伎は正直、おもろありまへん。
なぜか?
出し物はともかく、ハイビジョン撮影ながら「シネマ歌舞伎」と銘打つほどの、映画ならではの映像を楽しむことができへんからでおます。
元々、劇場で上演されている作品を映像に収め、それを映画のような細かいカット割りでつなぐことは、そもそも本来の映画作品とは異なるから意味もおませんが、それでも初期のシネマ歌舞伎では、それ用に山田洋次監督を起用して舞台作品を凝ったカメラアングルで見せていたものでおます。それが回を重ねるごとに、ここ最近はNHK教育テレビあたりで放送されている歌舞伎中継となんら変わり映えしてないんでおますな。
これでは、わざわざ映画館で歌舞伎の映像を公開する意味は、ホンマありまへん。
そこへもってきて、シネマ歌舞伎のテレビ番組化に拍車をかけたのが、冒頭、長々と付け加えられている吉右衛門へのインタビュー映像でおます。もう、まんま、テレビ番組ですな。
観客は白紙の状態で客席に座り、開映を待っているというのに、肝心の出し物の前に主役俳優の意気込みや役の解釈などを聞かされては誰がうれしがるもんでおますかいな。
白紙の状態のところへ余計な知恵をつけてもらっては、素朴な観客たちはその知恵に引かれて観てしまうことになりますがな。テレビだと、その間、消しておけばいいけれど、悲しいかな、前説があるとは知らない映画館の観客は、その前説の部分の間だけ外へ出ているなんて、そんな邪魔くさいこともできず、要らないのに無理やり付き合わされることになってしまいます。
そろそろ、シネマ歌舞伎もその在り方を再検討する時期に来ていると思うのですが、まぁ、再検討などされる見込みもおませんやろね。
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