2011-10-08

毒婦映画は「妖艶毒婦伝 般若のお百」

般若のお百110927


 先日の深夜、テレビで観たのが、宮園純子主演の「妖艶毒婦伝 般若のお百」(1968年、東映京都)でおます。

 宮園純子といっても、今では「?」の人が多いかもしれまへん。
 長く東映の現代劇で娘役をやっていた女優さんでおます。現代劇から時代劇、やくざ映画とさまざまなジャンルに出てはりますが、若手女優ながら、いつも刺身のツマでおます。テレビでは「水戸黄門」の東野英治郎版で黄門主従と旅をともにする風車の弥七(中谷一郎)の女房、霞のお新で知られとります。

 主役スターの相手役を演じるわけでもなく、ワキのストーリーを彩る役柄のほうが多く、ひっそりと目立たなかったのが、この年(1968年)、一躍、主演女優に躍り出ました。当時の京都撮影所長であった岡田茂が敷いたお色気路線の一環で製作されたのが、この映画でおます。
 お色気路線といっても裸をモロに見せるわけでもなく、そこはごくごくおとなしいほうで、続々と真っ裸が画面を横行した石井輝男監督のエログロ映画とは比べるべくもおません。

 


 恋人(村井国夫)を非業に死なせた女が艱難辛苦の末、恋人を死なせた役人たち(南原宏治、高野真二)を粛清していくという「怨み節」映画で、仇討ちといっても世をすねた恋人が幕府の金塊の横取りを企んでいた男で、役人たちも金塊横領を企んでいたやつらなので、死んだ方も殺した方もどっちもどっちではおますけどね。

 脚本はのちに東映の大作映画を一手に引き受けたかのような高田宏治、監督は石川義寛でおます。
 石川監督といえば、中川信夫監督の弟子筋に当たる人で、大蔵貢体制下の新東宝出身でおます。なぜか、この年、忽然と復活し、もう1本、東映では「怪猫からくり天井」(1958年、監督・深田金之助)以来の化け猫映画「怪猫呪いの沼」を撮り、テレビでも「大奥」シリーズで2話完結の怪談物を撮って、その後はまたまた忽然と消えてしまった監督さんでおます。

 この作品が好評だったのかどうか、宮園純子の毒婦映画はシリーズ化され、翌年、製作拠点を東京撮影所に移し、2作目「妖艶毒婦伝 人斬りお勝」、3作目「妖艶毒婦伝 お勝凶状旅」がつくられ、こちらの監督はいずれも石川監督の師匠、中川信夫の出番でおました。
 この2作目と3作目の間に番外編的な映画として、京都撮影所で山下耕作監督の「おんな刺客卍」が撮られとります。これが1969年1年間のことで、以後、製作されることはなく、やがて数年後には日本映画は有象無象のプログラムピクチャー終焉の時を迎えることになるんですな。

 面白いのは2作目のカップリング作品が藤純子主演の「緋牡丹博徒 二代目襲名」(シリーズ4作目)、3作目が同じく「緋牡丹博徒 鉄火場列伝」(同5作目)であったことで、『二人純子』の話題作りをもくろんでいたことがよく分かります^^
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数年前に飛田で観ました。

その話は、以前にしたと思います。

この宮園のお姉さんは、少し肉付きがよく、この頃はヴァンプ役がはまっていましたね。

しかし、この映画、何故かアメリカでは三作ともDVD化されていて、カルトな人気があるみたいです。

でも、日本ではほとんど忘れ去られている…。

所詮、日本の映画の人なんて、そんなもの?

ポポ(略)人さんへ

 あら、見てたのね(都はるみ風に)
 へぇ、アメリカではDVD化されて好評なんですか。まぁ、かの地では女性が男どもを向こうにまわしてってのが倒錯した快哉を叫ぶんでしょうね、
 宮園ねえさん頑張ってはるんですけど、カップリングの緋牡丹のおねえさんと比べたらねぇ・・・ちょっとかわいそうなくらいの組み合わせではありますな。
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