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2011-09-28

「盗まれた欲情」は「盗んだ口づけ」だった

 何を思ったのか、たまたまテレビで放映されていて、じっくり観込んでしまったのが1958年の日活作品「盗まれた欲情」でおました。

 言わずと知れた、かの今村昌平監督の監督デビュー作でおます。ついでに記せば、チーフ助監督がのちのち今村同様、日活路線と合わなくなる問題児、浦山桐郎でおました。

 ワイド、モノクロ画面に展開する物語は「艶笑ポルノ」というには時期尚早、艶笑喜劇でおます。
 大阪の河内を舞台に野卑でありながら陽気で暢気であり、世俗にまみれた人間たちばかりが出てきて、それもそのはず、原作は今東光(脚本は鈴木敏郎)でおます。舞台が河内の高安ときては、「悪名」の朝吉親分の生まれ故郷の隣でおますな。
 河内を舞台にしているから全員、関西弁で、主役の長門裕之は京都出身でおますからいいとして、そのほかの俳優陣はほぼ関西以外の生まれながら大阪弁と河内弁を駆使してはります。当時の新劇のインテリ俳優、仲谷昇ですら、長門裕之の友人役でちょこと出てきて、大阪弁訛りの標準語をしゃべっているあたり、さすがでおます。

 大学出の新劇くずれの長門裕之が紛れ込んだ旅回りの一座は、ストリップと歌舞伎の2本立てで頑張っとります。頑張っていても客が入らないとどうにもならず、新世界を喰い詰めて向かった先が河内の高安。
 今から53年前のことでおます。通天閣から俯瞰で捉えた大阪の街が出てきますが、まだ平屋建てが目立って、はるか彼方まで見渡せる静かな街でおます。同時に、大阪府下の高安もまだ宅地造成で様変わりする以前の田舎で、見渡す限り田畑が広がっているだけでおます。
 半世紀以前の現代劇を観る楽しさは、こういうところにもおますな。現代とは景観、風俗ともに、まさに隔世の観がおます。

 さて、旅回りの一座のメンツが面白おます。
 座長が滝沢修、おかみさんが菅井きん、座長の娘で一座の花形女優に南田洋子と喜多道枝、姉娘の亭主で二枚目役者に柳沢真一、新入りのストリップ女優に香月美奈子、座員に西村晃、高原駿雄、小笠原章二郎と、いずれもクセ者ぞろいでおます。ここに高安村の金持ちの小沢昭一や村の青年の武藤章生、雑貨屋の婆さん、武智豊子が加わって今村一座の出来上がりでおます。

 旅回り一座の演出家として新しい芝居を試みようとする長門裕之に惚れるのが妹娘の喜多道枝。この人、新人と出てはりましたが、その後は…? ちょっと江波杏子似で、結構気の強いキャラクターは今村好みなのか、「豚と軍艦」(1960年)のヒロイン、吉村実子に似通ってますな。

 しかし、長門が恋こがれているのは人妻の南田洋子で、人生、思うようにいきまへん。それでも南田とできてしまい、ここで「盗んだ口づけ」となるのでおますが、結局、亭主を取った南田に捨てられることになり、一座を離れることになった長門も芝居に理想を掲げながら、いつの間にか、座員たち同様、野卑な生欲にまみれただけで、新規まき直しを図らざるを得ないというお話でおます。

 ちなみに、あのころのストリッパーって、腋毛処理どうしてたんでしょうか。
 演じているのは多分、大部屋女優と思いますが、堂々と「黒い」んでおますな^^
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