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2011-08-27

夏の終わりに「東海道四谷怪談」

東海道四谷怪談110828


 ハイ、夏の終わりには、やっぱり、おなじみの四谷怪談でおます。って言っても、平成の世の中ではもはや、おなじみではないかもしれません。
 それに、こんなコケおどし芝居より、現実の出来事のほうがよほど怖いことがありますもんね。月曜にも政権与党の代表が決まるかも…という中で、おなじみ昭和の遺物がまたもや暗躍しとります。この人、党員資格停止中、裁判待ちながら堂々と金と数の風を吹かしとりますな。
 こっちのほうが、よほど怖い(怖さの質が違うって?)。

 中川信夫監督の、世評高い「東海道四谷怪談」は1959年、経営不振にあえぐ大蔵体制下の新東宝映画でおます。新東宝末期の作品ゆえか、中川監督がヤケクソ気味で、こってり怪談映画の粋を見せたというような評判もおます。

 これも、男と女の闘いでおますな。
 貧乏にあえぎ、古女房を捨てて新しい女に乗り換えた男と、皆によってたかってコケにされ、最後は面相まで醜く変えられて憤死する女との壮絶な「いくさ」でおます。

 初めてこの作品を観たのが25歳の時。以来、何度か観ているのでおますが、色付き映画であることを生かして戸板返しに始まるお岩(若杉嘉津子)が伊右衛門(天知茂)を猛襲していくシーンは泥絵のような色調で「おお!!」となるものの、観るたびに忘れていってしまう、ボクのとっては不思議な映画でおます。

 
 
 何度観ても忘れてしまうほど気が入ってないってことは、ボクにとって最初の出会いの印象がよくなかったのかもしれません。

 お岩を演じたのは若杉嘉津子。大映で映画入りし、やがて当時の新東宝の主演スターになった女優でおます。
 この人が演じるお岩を見ていて、もう何かイライラしてしまったんでおますな。
 自分の意思を感じさせない、男に頼るだけしか能のないような、最初から哀れを誘うようなお岩さんで、こりゃ、伊右衛門でなくても、こういう女がそばにいると神経を逆なでされるようでおます。

 南北さんの原作にあるお岩は、もうちょっとしっかりしてますよ。伊右衛門とヨリを戻す以前は父親が浪人暮らしのため、こっそり夜鷹で日銭稼ぎをするわ、毒薬を飲まされて顔に腫れ物ができても騙されたとは知らず、薬の礼に侍の妻らしく身支度を始めるわで、凛としとります。
 坂東玉三郎は、このお岩について父親の仇討ちのため、自分の熟れた肉体を武器に伊右衛門を取り込んでしまうしたたかさのある女という解釈をしとりますが、いかにも現代的な解釈でおます。そこまでの奇抜さはなくても、この映画のウジウジしたお岩さん、こういう女性像が映画が製作された当時はよかったんでおますねんやろね。

 対する伊右衛門の天知茂、色悪でおます。少々痩せぎすだったのが気になりますが、冒頭の画像からも分かるようにナリは全くの「仮名手本忠臣蔵」に出てくる斧定九郎でおます。
 お岩を自分のものにするため、お岩・お袖(北沢典子)姉妹の父親(杉寛)を殺してしまう最初から積極的にワルの道ひた走りで、こういうワルに対して、相手のお岩さんもただウジウジしているだけではドラマとしての迫力がおません。
 こんなワルにお岩さん、親の仇討ちの望みを託すのでおますが、千年、仇を追い求めたところで大願成就とはなりまへん。なにしろ、仇は自分の夫でおますから。死んで痛恨のお岩さんでおます。

 ところで、父親の位牌の前で悲嘆に暮れるお岩さんとお袖さん、髪飾りを差して派手な柄の着物を身にまとってはりますが、父親を亡くしたばかりというのに、あんたら、そんな身なりでええのん? でおました。
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