2011-06-16

「赤ずきん」ちゃん 気をつけて!

赤ずきん110616

 先日観たマッド・デイモン主演、ジョージ・ノルフィ監督の「アジャスメント」(2011年、アメリカ)で、かの奇優テレンス・スタンプを見かけた時もそうでおましたが、今回のアマンダ・セイフライド主演、キャサリン・ハードウィック監督の「赤ずきん」(2011年、アメリカ)でもジュリー・クリスティなんて日本ではすっかりお久しぶりの女優を見かけて「おお!!」となったのでおます。
 ともに60~70年代に活躍していた俳優さんでおます。

 もっとも、テレンス・スタンプやジュリー・クリスティが出ているから観に行ったわけやおません。いつものごとく予告編を観て「面白そう^^」というのが動機で、いつものごとく事前に予備知識など仕入れていたわけやおません。
 今回は例によって、いつもよく行くシネコン(大阪・難波)に向かうエレベーターの中に「赤ずきん」のポスターが張られてあり、シネコンのある階に着くわずかな時間、何気なく(「なにげに」なんて決して使いまへん)ポスターを見ていてジュリー・クリスティの名前を見つけたのでおます。
 テレンス・スタンプの場合はポスターを見るもなにも、実際に映画を観ている中でソフト帽を被った初老の男が登場し、観ているうちに「あれぇ~、このおっちゃん、テレンス・スタンプやないの」となったわけでおます。

 以前、ジュリー・クリスティをどの作品で見たのかは憶えておりまへんが、テレビの石鹸のコマーシャルによく出てはりましたな(映画でなくてゴメンね、クリス)。
 テレンス・スタンプといえば、これはもうウィリアム・ワイラー監督の「コレクター」(1966年、アメリカ)で演じた内気な青年にトドメを刺しまんな。以後も戦争映画やチンパンジー相手の映画にも出てはりますけどね^^
 往時のスターでおます。ともに、クレジットタイトルでは「and」格の扱いで登場してはりました。

 さて、肝心の「赤ずきん」でおます。


 

 童話「赤ずきん」のその後のストーリーのようで、このあたり、カミングスーンの日本映画「デンデラ」(監督・天願大介)も姥捨て伝説の山に捨てられた老婆たちのその後の物語のようでおます(ある映画評論家は老女たちの「アマゾネス」映画と評しているそうな)。

 さて、時は中世(多分ね)、ある国の山深い一角にある人里離れた小さな村(どこの国の何という村か特定されてまへん。童話ベースの映画の童話たるところでおますな)に住む年頃の娘、バレリー(アマンダ・サイフィリッド)は、精悍な青年に成長した幼馴染みのピーター(シャイロー・フェルナンデス)と相思相愛の仲でおます。

 ところが、バレリーの両親は2人の仲にいい顔をしてまへん。そればかりか、村の金持ちで鍛冶屋の息子ヘンリー(マックス・アイアンズ)との婚約を進めており、バレリーは無理やりヘンリーと結婚させられそうになっています。ヘンリー君、いささか内気な感じの青年で、バレイーも決して嫌悪感があるわけではおませんが、いかんせん、ピーターと比べると「タイプが違うもん」でおます。
 ましてや、ヘンリーならバレリーの姉が熱心にアタックしている相手で、それを知っているバレリーは「だったら、お姉ちゃんと結婚したらええのに、なんでやねん?」と訳がわかりまへん。そこには母親の過去が隠されており、映画はあっさりとバレリーが母親から告白する形で謎が知らされ、観客はそれで姉とヘンリーが結婚できない事情を知ることになります。

 こんなバックボーンがあり、姉が満月の夜、オオカミに殺されたことから映画は次第に本題に入っていくのでおます。
 この村には代々、満月の夜に近くの山にすむ人喰いオオカミに襲われており、しかも、オオカミに殺されないまでも噛まれたら、噛まれた本人がオオカミと化していくのだそうでおます。満月の夜といい、なにやら、この仕組みは吸血鬼伝説でおますな。唯一、オオカミが近寄れないのは村の中央に建つ教会だけで、オオカミに襲われそうになると村人たちは教会に逃げ込みますが、そこも吸血鬼そっくりでおます。

 やがて、人喰いオオカミを退治してくれるという、村人たちにとっては救世主のようなソロモン神父(ゲイリー・オールソマン)が村に到着します。このおっちゃん、小さな2人の子持ちで、妻を人喰いオオカミに噛まれたため、妻のオオカミ化を防ぐため、自ら妻を殺したという経歴の持ち主でおます。
 まるで十字軍のような厳めしい甲冑に身を包んだ部下たちを従えた神父さん、まるで全能の権力者のように村に君臨します。
 やがて、迎えた人喰いオオカミとの決戦の夜、神父さんの指揮で攻防が繰り広げられますが、オオカミのほうが役者は一枚上で神父さんの作戦は大失敗に喫します。そこで自分の名誉を取り戻そうと神父さんは村人たちに対し、「オオカミに噛まれた者がいるはずだ。名乗り出ろ」と命じます。
 魔女狩りの始まりですな。ね、中世でしょ^^
 村人たちの間に疑心暗鬼の気持ちが芽生え、ここらあたり、ジョン・カーペンター監督の「遊星からの物体X」のパクリでおますな。

 まず、ヤリ玉に挙げられたのがバレリーの友達の弟で、満足に口もきけない少年でおます。ただ、奇妙な手品を神父の前で披露したという理由だけで。
 やがて、オオカミが狙いを定めたバレリーがオオカミと話をしたというだけでバレリーが魔女化されてしまいます。これは弟を助けたいがための友達のチクリによって起こります。

 さぁ、それからどういう紆余曲折があるか、それは観てのお楽しみでおますな。
 それにしても、村人たちの前に姿を見せた人喰いオオカミ君、いささかデカ過ぎの観が否めません。CG合成の作り物でおますが、なにやら全体像はオオカミというより、でっかい黒猫のよう。

 ところで、こんな危険な村なのに、バレリーの祖母、いわば、赤ずきんちゃんのおばあさん(ジュリー・クリスティ)は村から少し離れた森の中の一軒家に住んでいます。それこそ、童話通りの設定でおますけれど、そんなとこに独り住んでいてオオカミに襲われるんじゃないの? と思いきや、ここにもこの映画を面白くする秘密がひそんでいるのでおました。
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精力的に映画を観てますなぁ。

当方、雨も降っているし、なんやかんやで面倒くさくなって、ほとんど観てません。

それでもDVDは観ているもので、最近では『ダーリング』なんてイギリス映画を観ましたが、その主演が若き日のジュリー・クリスティです。生意気盛りの可愛いヒロインを演じています。

でも、この手のことはよくある話で、90年代は華麗なヒロインだったウィノナ・ライダーが『ブラックスワン』ではすっかり老け役で、発狂する元プリマドンナを演じていますし、プリマドンナつながりでいえば『英国王のスピーチ』には、『ライムライト』のクレア・ブルームが出演してます。さすがに気づきませんでしたが、偶然、劇場で遭った友人に教えてもらいました。

ポポポポ~ンの友人さんへ

 久しぶりのご訪問、ありがとうございます。
 映画を観に行って、そういうスペシャルゲスト級の人がチラッと出ていたりしたらうれしいものですよね^^ 現今の日本映画のようにざこ級がチラリと出てくるのとはわけが違いますもんね。
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