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2011-05-04

過ぎ去った時を振り返るわけではないけれど

大奥110501


 ちょこっと現代の映画を観るということから遠ざかっており、じゃ、何を観ているのかといえば、かつて子どものころに観ていたテレビ映画の旧作でおます。

 つい先夜まで観ていたのはNET(現・テレビ朝日)と東映京都テレビプロ共同製作の「帰って来た用心棒」でおます。1968(昭和43)年の作品で、栗塚旭主演、島田順司、左右田一平共演ですが、前年に放送されて好評だった「俺は用心棒」の続編シリーズでおます。

 「俺は用心棒」と「帰って来た用心棒」の間に主役の栗塚旭が他局の時代劇(「風」)に出演したため、「待っていた用心棒」という伊藤雄之助主演の、途中で主役が消えてしまうというシリーズもおましたが、「帰ってきた用心棒」の後、再び、栗塚旭主演の「俺は用心棒」が新たにシリーズ化され、ニヒルな雰囲気を漂わせた浪人の栗塚旭がバカ受けしたものでおます(素顔のご本人とかかけ離れたイメージで、そこが「役者やのぅ~」と思わせる由縁でもありますが)。
 脚本・結束信二、監督・河野寿一、音楽・渡辺岳夫と、いずれも今やレアなテレビ作品となっている1965年の「新選組血風録」以来のコンビで、モノクロ画面が生きている時代劇でおます。もっとも、このころ、河野寿一は糖尿病で健康を害していたため、「帰って来た用心棒」の後半は、それまで助監督を務めていた松尾正武が演出することが多かったのでおますけどね。

 続いて観始めたのが、女の園の時代劇「大奥」でおます。 
 こちらも1968年の作品で、『関西テレビ開局十周年記念』と銘打って関西テレビと東映が製作したカラー作品でおます。


 現・東映相談役の岡田茂の回想によれば、前年に劇場公開された「大奥(秘)物語」(監督・中島貞夫)が大ヒットしたことにより、この大奥物をテレビ番組として企画したそうで、製作提携した関西テレビの開局10周年記念番組となったのでおますな。
 ただし、映画のほうはレズビアンシーン(岸田今日子VS小川知子)があったり、将軍の閨に召された女性(三島ゆり子)が半裸で悶えるシーンがあったりしたためか、成人指定映画で、それをそのままテレビに持ち込むことはできまへん。

 同じ年(1967年)、NETと東映が製作したスタジオドラマで、佐久間良子主演の「徳川の夫人たち」(原作・吉屋信子)が放送されていたものの、それまで江戸城の女の園を正面から描いた作品がなかったこと、大奥という男にとっても女にとっても興味津々の世界が舞台だったことも幸いしてか、この「大奥」はヒットし、以後、同じようなテレビ番組がキー局のフジテレビで年を経て繰り返され、CSでも繰り返し流れております。まぁ、ボクは68年版「大奥」以外、観ることはおませんけどね。

 最初に放送された「大奥」は、三代将軍、徳川家光の乳母、春日局によって大奥が整備されたとされる時代から明治維新に至る十五代将軍、徳川慶喜の時代まで、実話、風説、伝聞などをもとに延々と1年間、全52話放送されました。
 家光や五代将軍、綱吉、あるいは八代将軍、吉宗など有名な将軍さんの時代ならエピソードに事欠きまへんが、それ以外の歴史上、名前はさらしていても実態のわからない将軍だったら膾炙されている出来事も少なく、おまけに放送が1年間に及ぶとドラマ作りにも苦労の跡がしのばれようってものでおます(メーンライターは高岩肇と西沢裕子)。
 ある時は歌舞伎ネタの「伽羅先代萩」を持ってきたり(六代家宣)、ある時は忠臣蔵ネタ(十代家治)であったり、近松の重乃井の子別れ(十一代家斉)だったり、果てはHNKの大河ドラマで広く知られるようになった天璋院篤姫の新婚時代のお話(十三代家定)がヒッチコックの映画で有名なデュ・モーリアの「レベッカ」まんまだったりしとります。

 シリーズのトップバッターを飾った家光編は四代将軍の家綱の母親となる側室(橘ますみ)が主役のお話でおましたが、これに「徳川の夫人たち」の原作者、吉屋信子からクレームがついたということもおました。
 家光の側室の1人にお万の方という女性がいてはります。京の貧乏公家の出身で伊勢の尼寺の若い尼僧でおますが、尼寺の後継者となるため、江戸城へ挨拶に訪れた折、家光の「あの子がほしい」の一言で無理やり還俗させられ、側室となった女性でおます。
 「徳川の夫人たち」は、この女性を主人公にした小説でおます。レズビアンの傾向があったとされる吉屋信子がそれこそ掌中の珠を大切にするがごとく、この女性をあくまでも気高く崇高な女性として憧憬の眼差しで描いとります。

 「大奥」の家光編にも、お万の方(桜町弘子)が登場します。もちろん、小説のヒロインを勝手にドラマに組み込んだわけやおません。実在の人物として記録にも残っているようで、しかし、このお万の方はドラマでは小説と異なり、大奥の権力争いの中でヒロインに激しい嫉妬を燃やす女性として描かれ、「お万の方はあんな女性とちゃうで」と、そこが吉屋信子のクレームの由縁でおました。
 ほかにも小説のエピソードをドラマに流用していることも指摘しており、その後、このクレームに対してどう対処したのか、黙殺したのか、それとも金包みを懐にプロデューサーが話し合いに行ったのか、その後のことはボクには分かりまへん。

 さて、冒頭の画像は忠臣蔵ネタをベースにした家治編の一コマでおます(脚本・高岩肇、高橋稔、監督・倉田準二)。左の浪花千栄子がいわば吉良上野介で、右の久保菜穂子は浪花千栄子によって無念の死を遂げた主人(小畠絹子)の仇を討とうとする大石内蔵助の役どころでおました。浪花さん、憎々しげな表情で徹底的に久保菜穂子をいじめ抜くのでおますが、そのいじめぶりは吉良上野介というより、岩藤でおました。
 
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よみがえる日本映画

花のお江戸では、フィルムセンターの「よみがえる日本映画」の東映篇が始まりました。

今日は萩原遼が監督した『赤穂城』と『続赤穂城』で、まあ何というか東映色100パーセントの映画でした。

片岡千恵蔵が大石と浅野内匠頭の二役で、どちらかで演技を変えているかといえば、まるでそうでなく髷の形もメイクも、そして演技もまるで同じで、今の観客からすれば大混乱必至かもしれません。

そして薄田研二の吉良上野介の本当に悪役然とした演技などなど。

でも、それが東映印と思うのですが、東映映画の達人としてはいかがですか?

ボボボボ~ンの友人さんへ

フィルムセンターは花のお江戸で東映映画ですな。まぁ、一部、東横映画でもありますけどね。
「赤穂城」よかったでしょ^^千恵さんの二役にそう文句をつけるもんじゃないですよ。あくまでも千恵蔵を観るためなんですから。
薄田のとうさんの上野介は憎々しい演技だけど、後年の月形のオッサンの上野介のほうがよかったなぁ。とうさん、品格に欠けてるもんね。
機会があったら三部作のラスト「赤穂浪士女間者秘聞」も観てください。嵯峨ミッチーがよろしおますねんわ。
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青山彰吾

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