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2011-03-28

「祇園の姉妹」で今に通じるもの

祇園の姉妹110319


 父親のため、兄のために奮起した大阪のおねえちゃん(山田五十鈴)が奮闘努力の甲斐もなく不良少女というレッテルを張られ、夜の大阪の街で立ち尽くしてしまう「浪華悲歌」(1936年、第一映画)とともに戦前の溝口健二監督の名作とされている、同じ山田五十鈴主演の「祇園の姉妹」(1936年、第一映画)をおよそ28年ぶりに観ました。

 といっても、今回はビデオで、ですけどね。
 東京へ移住した友人が、かの地に持って行ってもゴミになるだけ? のちょっと整理しきれないほどのビデオを宅配便で送ってきて、その中にあったのが溝口健二監督の戦前の名作といわれている山田五十鈴主演の「祇園の姉妹」でおました。
 こんなん捨てるんかいな? と不審に思っても捨てる捨てないは所有者の勝手でおます。「そんなら、もろとこ」と新たな所有者となったボクは一夜、これまた28年ぶりに山田五十鈴扮するおもちゃに再会と相成りました。

 「浪華悲歌」はタイトルからも分かるように大阪のおねえちゃん、「祇園の姉妹」もタイトルから分かるように京都のおねえちゃんでおますが、「浪華悲歌」では主役のおねえちゃんはやむにやまれぬ事情から倫落の女になっていくのに対し、「祇園の姉妹」のおねえちゃんは冒頭から「男なんかに食い物にされてたまるかいな!」とばかり、やけに戦闘的であり、男社会に対して真っ向から挑んでいるようなファイターとして登場してはります。



 女性にまだ選挙権すらなかった時代、京都・祇園で芸者を営む姉(梅村容子)と妹(山田五十鈴)のお話でおます。割り切った考え方の妹は、昔気質な姉の生き方に反発しています。
 世間体や義理を考え、世話になった男には縁が切れても尽くそうとしている姉に対し、「こっちゃかて、するだけのことはしてあるやないか」と客とは金と体の取り引き、ギブ&テイクの仲だと割り切り、はっきりしています。
 妹は女学校出の芸者という変わり種で、おそらく小さい時から芸者の世界に住むようになった姉とは異なり、なまじ学があるだけに、また、時代相から行っても「権利」という知識も備わっています。

 結局、昔ながらの色街の女の意地を通そうとした姉はあっさり、かつてパトロンだった男(志賀廼家弁慶)に捨てられ、金のない男に執心する姉に新しいパトロンを見つけようとして小細工を弄した妹は騙されかかった男(進藤英太郎)に走る車から放り出されて大けがを負ってしまい、どちらも虻蜂取らずになってしまいます。

 そこでラストに来るのが妹の叫びでおます。
 「なんで、うちらだけがこないな目にあわんといかんのや!」
 病院のベッドに横たわりながら発する妹の腹立ちと悔しさがないまぜになった叫びでおます。
 まぁ、作者の言いたいことはわかりますが、あまりモロにメッセージをセリフで送られてしまうと、それは言わんでもわかっとりまっせと観客の感性が歪められてしまうようなラストシーンでおました。

 芸者の世界のお話で、しかも今から75年も昔の現代劇ながら登場する女性たちは着物姿でおます。
 そんな中で、珍しいのが若き日の山田五十鈴の洋服姿で、今回、ビデオを観ながら思ったことは、これまで映画で山田五十鈴の洋服姿を見たことがあったかいな? ということでおました。
 パッとすぐに思い付くのは豊田四郎監督の「猫と庄造と二人のをんな」(1956年、東京映画)くらいで、この女優さんは現代劇でもなぜか着物姿が多いんですな。
 「祇園の姉妹」当時、山田五十鈴は既に一児(嵯珴三智子)の母親でおましたが、この作品では外出先から帰ってきて下着一枚(昔で言うところのシミーズ)で家の中をあちこち歩き回り、しかもスレンダーな体を披露しており、そのあたりの貴重な映像もある映画でおました。
 
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ごめんなんしょ。

『祇園の姉妹』はDVD版に切り替えたので、ビデオは必要のうなったのです。

その他『大江戸五人男』もそうです。

でも、まだ大量にビデオがあります。いわゆるエアチェック物で、特に80年代のアイドル物は捨てられません。

一時、すべてDVD化しようと思いましたが、結局手を付けずじまいで…。

でも知り合いの話によると、安い台湾製のDVDにダビングすると、二、三年で画像がへたれてくるとか。

ならビデオがあるうちは、まだ取っといた方がいいみたいな気もします。

で、山田五十鈴の洋装ですが、終戦間際の滝沢英輔の『秘めたる覚悟』では洋食屋の娘役で、確か洋装姿がメインだったはずです。

ボボボボ~ンの友人さんへ

ひさしぶりです。
残念ながら「秘めたる覚悟」って観たことないんですよね。
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