2006-02-21

2)ご祝儀に「藤純子引退記念映画 関東緋桜一家」 

関東緋桜一家


 
 この映画、1972年度の作品ですね。当時、絶大な人気を誇っていた女優、藤純子の映画界引退を記念した東映任侠映画のオールスター作品。
 
 ラスト、ご町内の衆に見送られて主人公の藤純子は「皆さん、お世話になりました」と挨拶をしてスクリーンのかなたに消えていくのですが、30数年を経て、この映画を振り返ってみると、藤純子という女優がスクリーン上から消えていくばかりでなく、およそ10年続いた東映任侠映画もやがて消えていく先駆けとなった映画だったんですね。
 
むろん、当時はそんなことわからなかったです。
藤純子ファンのボクとしては、もう藤純子の映画を観られなくなるのを哀しみながら劇場の暗闇のなかで彼女の最後の姿を見つめていただけです。
そう言えば、この映画のキャッチコピーは「今さら何にも言いません。ただ黙って見てください」だったか・・・。そう、だから、ファンとしては黙って見ているだけしかなかったのですが(それにしても心憎いキャッチコピー!!)。
 


藤純子がスクリーンから消えていくと、急速に東映任侠映画も減速気味になっていきました。
この路線を推進した監督たち、この作品を監督したマキノ雅弘は純子の育ての親といわれましたが、この純子最後の映画がマキノ監督の最後の映画になり、加藤泰監督は女性が主人公の任侠映画を受け継ぐ作品として江波杏子主演の「昭和おんな博徒」を撮った後、松竹映画に移っていきます。
山下耕作、小沢茂弘、佐伯清といった監督たちも、この年から翌年にかけて、まるで残務整理というような形で何本かの任侠映画を撮り、いわゆる東映の「やくざ映画」は「仁義なき戦い」シリーズに代表されるような実録路線へ大きく流れを変えていきました。
 
歴史の流れというのは、あとになってわかるものなんですね。その渦中にある時は、どこが分岐点で、なにがきっかけになったのか、そんなことはわかるはずがない。大きく流れを変えてやろうと思ってやったとしても、それが流れを変えているのかどうかも、その時点では定かでないことがよくありますよね。
 あとになってからだこそ言えるのかもしれませんが、この作品を振り返った時、まさにこの作品は、わが世の春を謳歌していた東映任侠映画名残の映画として記憶されるものでしょう。
 
 藤純子引退後、数年を経て寺嶋純子さんという女性がテレビのワイドショーの司会者として登場しました。しかし、彼女は歌舞伎俳優の奥さんでした。
 さらに数年を経て冨司純子さんという女優が舞台、映画、テレビに顔を出すようになりました。しかし、彼女は「ふじ・すみこ」という女優さんであって「ふじ・じゅんこ」という女優さんではないのです。
 
 30数年前、スクリーンのかなたに消えていった藤純子の後ろ姿に別れを告げたボクは、冨司純子さんが出演した映画やテレビを観たことがないというのが現状です。
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ブログスタートおめでとうございます

こんばんは。
さっそくお邪魔します。

『関東緋桜一家』は先日、マキノ特集で初めて観ました。藤純子が芸者でありながら、のっけからちょちょいと悪人をさばくは、そのうち鳶の一家の跡目を継ぐはで「なんというぶっとんだ設定!」と驚きましたねー。でも、これリアルタイムで観ていたら、最後なんてしみじみしちゃうんでしょうね。70年代入ると、任侠映画も軒並み暗くて陰惨な雰囲気になってきますが、そんな中でこの映画は、ハッピーエンドで終わるのがなんだか嬉しかったのでした。

ではでは、また伺いますね。

青山さんってあの・・・?

ブログ、スタートおめでとうございます。青山さんって、彰吾っていう名前でしたっけ?もう、すっかり忘れてしまいました。『女渡世人 おたの申します』は生涯の傑作の一本だったのに。これから、どんどん、埃をかぶってしまった記憶と思い出に刺激を与えて得てくださることを期待しています。

Anitasaikou888さんへ

 ご訪問、ありがとうございます。
 もう、お分かりだと思いますが、青山っていうのは「女渡世人・おたの申します」じゃないです。「緋牡丹博徒・お竜参上」の菅原文太の役名です。でも、下の名前は「常次郎」です。青山常次郎。「おたの申します」の文太の役名は音羽常次郎でした(なんや、ややこしいですね^^)。
 じゃ、「彰吾」は、どこから出てきたのか?? 同じく「緋牡丹博徒」シリーズの3作目「花札勝負」の高倉健の役名、花岡彰吾から拝借したものです。
 実は、この「青山彰吾」というペンネームは以前、この種の映画について文章を書いた時に使ったことがあったので、今回、このブログを開設するにあたり、再登場させることにし、「昔の名前で出ています」ということになったわけです。
 ではでは、今後ともよろしくお願いします。末永く、このブログをかわいがってやってください。
 

私も初めっから大チョンボ

そうでしたね!文太さんだとは思ったのですが。『お竜参上』も大好きなのに記憶はオボロ・・・。雪の今戸橋とかのシーンは目に焼きついているのですが。彰吾が『花札勝負』っていうことは加藤泰監督つながりです・・・ね?そうか、納得。ご説明ありがとうございました。

昨日はお疲れ様。
ありがとうございました。

それはそれとして
こら、早よ、更新せんかい。
こんなんじゃ、人に紹介でんぜよ。プンプン。
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青山彰吾

Author:青山彰吾
 日本映画を中心にしたコーナーです。
 ただし、取り上げる映画は偏っています^^
 
 

最近はこんなんです^^
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