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2011-03-23

「飢餓海峡」に見たエロス

日劇東映110321
 

 東北の地震、大津波、原発事故、この三つ巴になった大災害以来、のんきにブログを綴っている気も起らず、同時に個人的な忙しさも重なって10日以上も更新をお休みしていました。その間にも訪問してくださる人もおり、ありがとうございます。
 そろそろ、このショボいブログを再開します。

 現在公開中の新作映画には、いずれも食指が動かず、それじゃ旧作でも…と考えていた矢先、出くわしたのが内田吐夢監督の「飢餓海峡」(1964年、東映東京)と関川秀雄監督の「東京アンタッチャブル 脱走」(1963年、東映東京)の2本立てでおました。劇場は、大阪・新世界のいつもの映画館でおます。

 今月半ば、東京移住を決行した友人が(東京へ行ったその日が地震が起こった日でおました)、計画停電やそれに伴う公共交通機関の乱れの中にあるかの地で不自由を強いられているそうでおます。当座は外出するにも不便だったそうで、地震が起こった日を選んで東京へ向かったのではおません。後で聞けば、東京駅へ着いた直後にグラッと来たそうでおます。

 最近になって、そんな彼から京橋のフィルムセンターに行くとか、銀座のなんとかという名画座に行ってきたとか、メールで知らせてきて「やっぱり、お江戸やのう~」と映画に関してはうらやましく思っております。なにしろ、大阪ではもう名画座は全滅したと言っていい状態でおますから。

 そんな矢先、いつもはやくざ映画中心の通い慣れた新世界の映画館にかかった、やくざ映画ではない2本立てでおます。「東京アンタッチャブル 脱走」は初めて観る作品でおましたが、「飢餓海峡」のほうは実に35年ぶりの邂逅でおました。

 映画「飢餓海峡」を初めて観たのは、まだ大学生のころで、封切当時、上映時間の関係から少し短縮されることになり、内田吐夢監督と製作会社の東映とが物議を醸した、そのカット版のほうでおました。
 それから数年後に全長版がニュープリントで特別公開されたのでおますが、観るのはそれ以来のことで、今回の上映も全長版でおます。

 それにしても、最初に観た時にも感じたのでおますが、主役の犬飼多吉を演じている三国連太郎の後半の演技はくそおますな。
 殺人を犯した後、下北にたどり着き、娼婦の杉戸八重(左幸子)と知り合って数時間をともにしたことが縁で、純真あっけらかんとした八重に横取りしたばかりの大金の一部を与え、八重の前から姿を消してしまうまでの前半、疲労感と怯えをさりげなく表現していた三国さん、後半になって功成り名を遂げて京都・舞鶴の篤志家として登場してからがいただけまへん。
 特に刑事たちから八重殺しを疑われ、取り調べを受けるシーンのおとぼけ演技はあきまへん。まるでとってつけたような表情、動き、言葉、何でこうなるねん? なのでおます。策士、策に溺れるとでもいうのですやろか、仕草が過剰になっているのでおますな。そこまでしないと演技者は心配になるのか、残念なことでおます。

 久しぶりに、この映画を観て今回は目を見張ったシーンがおました。
 それは下北の女郎屋で犬飼と八重が2人きりになるシーンでおます。このシーンがすごくエロティックなんでおます、もう冒頭から。以前は感じなかったことでおます。

 女郎屋の八重の部屋で2人きりになると、やがて外は雨になります。窓辺に干した洗濯物を取り込もうと八重がガラス窓を開けると遠く、恐山が雨に煙ってます。犬飼は数時間前、その恐山を独りで下山してきたばかりで、その途中、死んだ母親の口寄せをイタコにしてもらっている八重を見かけるのですが、犬飼は雨の中の恐山を見て自分の犯した殺人とチラリと見たイタコの表情を思い出したのか、しきりに怯えを隠せません。

 そんな犬飼をからかうように八重は洗濯物を両手にかざしながら「戻る道ないぞ、帰る道ないぞ」とイタコの口真似をして犬飼を追いかけ、さらには掛け布団をかぶって犬飼に覆いかぶさり、そのまま男と女の絡みにもつれ込むのでおますが、犬飼はくるまった布団の中で何かを追い払うように、ひたすら八重を暴力的に扱い、犬飼の激しい動きに首を絞められつつ八重のあえぎ声が次第に大きくなっていくんですな。

 これはもう、このシーン全体が最初からSEXにくるまれている場面でおます。
 おまけに男に暴力的に扱われながらも八重が快感に襲われたことは、のちに八重が東京に出てから勤めた一杯飲み屋の二階でお守りのように大事にしている犬飼の爪を取り出し、その爪を自分の頬や首に突き刺して身もだえする姿態につながっているのでおます。
 ホンマ、すごいね、こういうふうに女を描いているってことは!

 併映の「東京アンタッチャブル 脱走」は、東映の「警視庁物語」シリーズでもコンビを組んだことがある脚本・長谷川公之、監督・関川秀雄による作品でおます。
 所轄の刑事たちが留置所から脱走した傷害や窃盗などの被疑者5人を捕まえるまでの話で、追う刑事には「飢餓海峡」で犯人VS刑事で対立していた三國連太郎と高倉健が扮し、脱走犯の大物を丹波哲郎が演じております。
 丹波さん、確かデビュー作でも脱走犯を演じていたはずでおますが、逃げた被疑者たちの犯罪がセコく、しかも間が抜けているようなやつらばかりの軽い作品ながらラスト、逃げ回る丹波さん、追いかける三國&健サン、この3者の顔合わせは当時は何でもなかったものの、今では貴重でおます。

 逃げた丹波さんが頼って行った知り合いの男(沢彰謙)の女房役で先ごろ亡くなった浦里はるみも出ておりますが、旦那の留守に女房とよろしくやった丹波さんは後で旦那から女房の世話代をせしめられ、もともと脱走は窃盗で隠していた大金が心配で丹波さんが中心になって決行したはずなのに、その丹波さんも思わぬところで抜けておりました。
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東京での生活

こんばんワニ。

確かに東京は観るものが多いけど、映画観てても心から楽しめません。内実、ホンマにこんなことしててええんやろうかと、何となく気分が乗りません。

明日は吐夢さんの『逆襲獄門砦』を観ようと思いますが、昨晩から身体の調子が悪いことも手伝って、少し躊躇しています。

まあ時勢もありますが、どうしようもないですね。

ボボボボ~ンの友人さんへ

東京生活はどないなんやろ? と思っていたらアララ・・・ですね。これからの1年(別に1年と限りませんが)、思い切って開き直ることも選択肢の1つですよ。そのためにも健康にはくれぐれも留意してください。
楽しい映画紀行待ってますよ。
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