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2011-02-10

「若き日の次郎長 東海の顔役」でマキノ&錦之助

東海の顔役1110210


 先日、大阪・新世界で観たマキノ雅弘監督、中村錦之助主演の東映京都作品「東海一の若親分」、製作、封切されたのが1961(昭和36)年で、ということは、もうきっちり半世紀前の映画でおます。
 当時、ボクはこの映画を劇場で観たという記憶はありませんが、マキノさんもいないし(生きていたら100歳以上)、錦ちゃんも早々とこの世から退場してしまったし、はは、50年ねえ、もう、そんなに時間が流れていたのでおますな。

 錦之助が清水の次郎長に扮し、マキノ雅弘監督が演出した「若き日の次郎長」シリーズは3本おます。
 第2作に当たる「東海一の若親分」だけが、前にも記したように題字タイトルに「若き日の次郎長」というサブタイトルはおませんが、1作目が前年、1960年12月末に正月用作品として封切られた「東海の顔役」、61年6月封切の「東海一の若親分」を挟んで3作目「東海道のつむじ風」は62年1月封切の、これまた正月作品でおます。

 シリーズ3作品を通して観ると、面白いでんな。いずれも社会問題を扱ってるんですな。
 「東海の顔役」は米騒動、「東海一の若親分」は人身売買、「東海道のつむじ風」は労働争議で、そのいずれにもやくざが絡んでいて、同じやくざの次郎長が解決に乗り出すというお話でおます。


 「若き日の次郎長 東海の顔役」は、清水の米屋の跡取り息子だった長五郎が「清水の次郎長」と名乗るようになるやくざ誕生の巻でおます。
 長五郎さん、隣の炭屋、大熊(徳大寺伸)の妹、お蝶(丘さとみ)を婚約者に持ち、のんきに日々を送っております。長五郎は元は廻船問屋の三右衛門(月形龍之介)の息子ですが、三右衛門の弟で子どものない次郎八の養子となり、次郎八亡き後、養母のおせい(松浦築枝)と家業を切り盛りしとります。

 そのころ、打ち続く凶作で米不足となり、清水の町には米の安売りはダメという役所のお触れが出ています。そのため、米を求める町民が日ごとに増え、また、難民が流入しとります。義侠心に富む長五郎、何とかしてやりたくても手も足も出ません。
 そんな矢先、ある事件が起こります。
 たまりかねた浪人者(原健策)が長五郎の店に「米を売ってくれ」と暴れ込み、米泥棒と思った長五郎が思わず「ねずみ侍!」とののしったため、恥じた浪人者は切腹して果てます。浪人は元は尾張藩士で、浪人してから妻や幼い子どもを尾張に残したまま、年頃の娘、お美根(大川恵子)を連れて清水へ来ていたのですが、近く娘が奉公に出ることになり、白米で門出を祝ってやるため、米屋に押し掛けたのでおます。
 自分が放った不用意な一言のため、人を死なせてしまった長五郎さん、思い悩んだ末、他国から米を買い集めてくることを思い立ち、三右衛門に船を借りて名古屋、桑名へ向かいます。

 この間、難民だった増川の仙右衛門(平幹二朗)や法印の大五郎(田中春男)、大熊宅出入りの豚松(中村錦司)、三右衛門雇い人の船乗り、お相撲常(大前均)、名古屋で暴れていた桶屋の鬼吉(加賀邦男)、長五郎の男気に惚れた旅鴉、追分の三五郎(東千代之介)などが長五郎のもとに集まってきて一家を形成していくエピソード、清水に残されたお蝶さんは「待つ女」になるのは、いずれも例によってマキノの次郎長節でおます。

 長五郎がなぜ、やくざになるのかというと、この映画では毒をもって毒を制するとでもいいますのか、名古屋や桑名では鳴海屋(高松錦之助)、伊勢屋(吉田義夫)など大店の米屋がおますが、いずれも裏で大儲けを企んどります。手を組んでいるのが伝兵衛(山形勲)や権六(阿部九州男)といった彼の地のやくざどもでおます。
 桑名で近隣のやくざの親分を集めた米の入札があり、長五郎さん、そこへ乗り込むのには素人では具合が悪おます。ほんなら、やくざに対するには、こっちもやくざになりゃええんやとばかり、急ごしらえではおますが、ここに「次郎長」一家の名乗りを上げるわけになったのですな。
 おかげで無事、次郎長は悪徳やくざのもくろみを明るみにし、入札に同席していた顔見知りの親分、大前田の英五郎(大河内傳次郎)にも励まされ、米を携えて清水に凱旋するという結末でおます。

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 それより先に桑名へやって来た長五郎が、やくざ達とのもめごとで手傷を負い、逃げ込んだ先の女郎屋で出会ったのが切腹して死んだ浪人の娘、お美根でおます。
 お美根さん、奉公に出るということでおましたが、桑名で憂き河竹の勤めをしてはったんですね。長五郎にとっては手傷以上に手痛い再会でおます。その境遇を知って、お美根を苦界から救おうとしますが、お美根さん、きっぱり拒否します。長五郎を恨んでいるわけやおませんが、「ねずみ侍の娘にはふさわしい」と言うあたり、皮肉がきいとります。そして「今は幸せです」ときっぱり言い、もう元には戻れない覚悟を示すところはお侍さんの娘さんでおます。
 演じているのは当時、「東映三人娘」と言われた一人、大川恵子。丘さとみ、桜町弘子との3人のうちで群を抜いて、お姫様や武家娘にはピッタリの女優さんでしたが、マキノさん、飾り物ではない人間を演じさせとります。

 映画の最初のほうで、月形龍之介と大河内傳次郎が顔を合わせるシーンがおます。
 なんのなんの、この当時の東映時代劇では珍しいことではおません。
 子どものころ、何の気なしに、そういう場面を観ていたものでおますが、今から考えると凄い顔合わせなんでおますな。だって、大正末年ごろの無声映画時代から主役を張っていたスターだったおじちゃん達ですもんね。
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