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2011-01-31

東映城のおばさまも引っ越した

はだか大名110131


 先日、池田敏春監督が三重県の伊勢で入水自殺したことが新聞に報じられましたが、それより早くメールで教えてくれた友人が、その数日前、「夕刊に出てるでぇ」と知らせてくれたのが、花柳小菊の訃報でおました。
 この友人、何も映画監督や俳優の訃報があるたびに知らせてくれているわけでもおませんが、確か、彼は花柳小菊をリアルタイムで知らない世代なのに…。まぁ、映画に詳しい人やから、彼のアンテナに引っかかったのでおましょう。

 花柳小菊、といっても、ある一定の世代以外、享年89とあっては随分以前に姿を見せなくなっていたから、今ではほとんど知られていませんよね。ボクにしたって、この女優さんの現役時代のほとんど後半しか知りません。
 その後半に当たるのが東映時代劇全盛のころで、あっちの時代劇、こっちの時代劇に色っぽい芸者や女スリ、三味線か踊りのお師匠さんなどに扮して出てはりましたが、子どもの目には、いつ見ても「おばさん」にしか見えなかった女優さんでおました。


 今でははやらない純和風の美人顔、少し鼻にかかったハスキーボイスで、そのころ、花柳小菊は片岡千恵蔵や市川右太衛門などのおじさんスターの相手役として頑張っていました(画像は1952年の渡辺邦男監督の「はだか大名」でおます)。
 千恵、右太のおじさんスターにちょうどつり合う年格好だったからでしょうが、ボクが花柳小菊を東映時代劇で見るようになったころ、小菊さん、まだ30代後半から40代に差しかかるアラフォーでおました。半世紀近い昔だから、現代の同世代の女性の若さとは違いますよね。

 その芸名から分かるように、花柳小菊は東京・神楽坂で半玉(京都でいうところの舞妓)をしていたころ、スカウトされて源氏名そのままで女優になった人でおます。花柳界の小菊っていうわけで、何とも手っ取り早い命名でおます。
 ちなみに、彼女の映画界デビューにはマキノ正博(のちの雅弘)がかかわっていたそうで、戦前の日活で山田五十鈴が抜けた後の娘役スターの穴を埋めるためにマキノ顔なじみの小菊が紹介されたそうです。
 かつて、戦前の日本映画のスチール集を眺めていた時、セーラー服姿の花柳小菊を見たことがあり、随分違和感を覚えたものでおます。だって、花柳小菊といえば、先にも記したように芸者や女スリなど時代劇の色っぽいおばさんというイメージしかなかったのですからね。
 考えてみれば、誰しも生まれてすぐ、おじさん、おばさんになるわけではなく、幼児から少年少女と順を踏んで成長するから花柳小菊の娘役スターの時代があってもおかしくはおません。しかし、10代から色街で暮らすようになった小菊さんに、現実の生活ではセーラー服の時代があったかどうか…。

 正直なところ、子どものころに観ていた東映時代劇で花柳小菊の代表作はなんだ? って問われたら、これだ! っていう作品が見当たらないんですね。東映初期の1952(昭和27)年に佐伯清監督で「お洒落狂女」や佐々木康監督で「紺屋(こうや)高尾」という主演作品を残していますが、もちろん、これらの作品は観ていません。その前年には伊藤大輔監督で幡随院長兵衛役の阪東妻三郎と水野十郎左衛門役の市川右太衛門が共演した「大江戸五人男」で花魁の小紫役で出ているものの、代表作ではおません。

 なんだ? と問われてこれだ! というのがないほど、当時、花柳小菊はいつも似たりよったりの役柄で出ていたんですね。オールスター作品で千恵蔵の清水の次郎長に対する女房のお蝶、右太衛門が国定忠治を演ずれば旅をともにする女房、右太衛門の旗本退屈男が旅に出れば随行する女道中師、千恵蔵の遠山金四郎が謎解きをすれば、それに絡む江戸前の芸者などなど。
 ちょっと変わったところでは1961年の松田定次監督のオールスター作品「赤穂浪士」では大石内蔵助(片岡千恵蔵)の妻りくを演じていて、これは珍しく堅気の、しかも武家の女性でおます。

 そんな小菊おばさまの東映所属最後の作品が、1963年の加藤泰監督「真田風雲録」でおます。ここでは顔を真っ白けにメイクしたエキセントリックな淀君を演じてはります。
 以後、おばさまは東映歌舞伎、あるいは東映劇団の舞台公演で、やはり千恵蔵や右太衛門の相手役を務め上げ、1968年にはテレビで旗本退屈男を演じてテレビの時代劇の人気スター第1号といってもいい中村竹弥と熟年結婚してはります。
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花柳小菊さん哀悼

確かに花柳小菊さんの代表作って?思い出せませんが、絶対に忘れられない女優さんでした。役に立つ記事ありがとうございます。

keitokuchinさんへ

コメント、ありがとうございます。
代表作はないけれど、東映時代劇では欠かすことのできないおばさまだったんですね。

今後もよろしくです。
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青山彰吾

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