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2006-04-05

23)首が飛んでも恨み晴らします

 わがブログの「女優列伝 入江たか子」の巻で、ちょこっと触れた「火曜サスペンス劇場 麗猫伝説」、その後、気になったので10数年ぶりに観てみました。
 気になったというのは、この作品をビデオに採って、もう23年が経ちます。この前、そのビデオを観てからでも10数年の時間が過ぎています。その間、コレクションの棚に収まったままだったので、果たして、まだテープは無事に稼働してくれるのか、その確認のためでした。
 そのころはまだDVDはなく、テレビで放送された作品を残しておこうとすれば、一般にはビデオテープしかなかった時代です。しかし、DVDと異なり、ビデオテープは保存にどう気を使っても時間が経つに従い、確実に劣化していきます。劣化する前にカビが生えたりもします。ボクもこれまでに何本ものテープにカビを生えさせたことがあります。映画なら、またいつか放送されることがありますが、テレビ作品となると、そうたやすくは再放送は望めません。半永久的に保存できるとされているDVDに移し替えておくのが賢明ですよね。
 さて、「麗猫伝説」は観直した結果、まだ大丈夫でした。ただ、録画した時の映像がよくなかったのか、やや粗い画像ですが、元気に入江たか子さんも娘の若葉さんも画面に甦ってくれました。
 その「麗猫伝説」で使われていた化け猫映画は、1953年の「怪猫有馬御殿」(監督・荒井良平)です。入江たか子さんの二作目の化け猫映画ですが、もののついでに、これもビデオで観直してみたのですが、はぁー、一作目の「怪談佐賀屋敷」に劣らない化け猫活躍の映画でした。
 「怪猫有馬御殿」でも、入江たか子さんは苛められ女を演じています。
 舞台は鍋島家の奥向き。女同士の話です。鍋島家といえば、化け猫映画ではいつも登場している大名家です。この大名家は幕末、閑叟(かんそう)という名君を出していますが、「葉隠」で有名な藩ですよね。
 さて、鍋島家の奥向きには入江さん扮する、おたきという町人出身の側室(そくしつ=お妾さん)がいます。その一方にもう一人、おこよ(北見礼子)という側室(実は映画では正室=本妻さんなのかどうか判然としていませんが・・・)もいます。このおこよさん、事あるごとにおたきさんに意地悪をします。嫉妬ですね。主君(杉山昌三九)の関心がおたきさんに傾いているので、おこよさんは苛立っています。
 おこよさんに加勢するのが老女の金剛麗子以下、奥女中の大美(近江)輝子、橘公子、小柳圭子、柳恵美子など、大映時代劇でお馴染みのおばさまがたです。
 対するおたきさんの味方は、お付きの女中の阿井三千子(美千子)ただ一人です。これに主君の弟(阪東好太郎)が何かと気を遣ってくれますが、何分にも奥向きのことですから、そうそうは登場しません。
 おたきさん、もう苛められっ放しなんですね。それはもう観ていて歯がゆくなるくらいです。たまにはウラをかいて相手をおとしめてやれって思いますが、ここでおたきさんが反旗を翻しては、のちのち化け猫の出番がありません。観ている方はじっと我慢を強いられます。
 おたきさんの飼い猫が魚を食べたと騒がれて、おたきさんは泣く泣く猫を手放したり、武芸自慢の老女に満座の中で恥をかかされて打ち据えられるという、歌舞伎の「鏡山旧錦絵」のパクリのような意地悪もされたりします。その揚げ句、おたきさんは老女以下の女中たちに寄ってたかって自殺に見せかけた格好で、あえなくこの世を去ってしまいます。
 苛められたヒロインが恨みをのんで死ぬと、いよいよ、化け猫の登場ですよね。早速、おたきさんの恨みが乗り移った猫の反撃が始まりますが、化け猫映画の面白さは、この化け猫がどう活躍するか、ですね。
 化け猫は、まず女中たちから襲っていきます。ある者は小指を食いちぎられて縊死し、ある者は首筋を食いちぎられたりして次々に襲われるのですが、化け猫はただ殺すだけでなく、女中たちは死んでからは化け猫の妖術で手足のように働かされます。化け猫は、しっかり二次使用するんですね。
 もちろん、定番の猫踊りもあります。猫がねずみをいたぶっておもちゃのように遊ぶごとく、化け猫があやつり人形のように二人の女中を飛んだり、跳ねたりさせます。ここはトンボを切ったりするので女中に扮する女優にかわってスタントマンが演じています。飛んだり跳ねたりしているうち、着物の裾が割れてパンツが見えたりしますが、ま、無視しましょう^^ 明らかに女優の体格とは似ていない子供のような人がトンボを切っていますが、ご愛嬌、ご愛嬌、無視しましょう^^
 おたきさんの恨みが乗り移った猫は、次に老女を狙います。先に襲って殺した女中たちを総動員し、おたきさんが殺されたのと同じやり方で恐怖におののく老女は殺されてしまいます。怖いですね。目には目を、の復讐ですよね。
 とうとう、おこよさん一人が残ってしまいました。このころには主君の命令で、その弟が化け猫退治に立ち上がるのですが、入江たか子さん扮する化け猫は男たちを向こうにまわして大立ち回りを演じます。一人で、いや一匹で獅子奮迅ですが、いかな、妖怪でも最期の時を迎え、主君の弟に斬られて藩邸内にある火の見櫓から落下してしまいます。
 ところが・・・・・・。
 この化け猫、ただでは転びません。なんと、頭だけになった化け猫は空中を疾走するのです。目指すは、もちろん、おこよさんです。おこよさんは御殿の一角から化け猫と主君の弟との格闘を眺めていたのですが、化け猫の頭が自分に向かってくるや、部屋の中に逃げ込みます。化け猫も負けてはいません。障子を突き破り、一直線におこよさんの首筋に襲いかかって、ようやく化け猫騒動は幕となります。
 化け猫映画は他愛ないといえば他愛ない、今でいうところのホラー映画ですが、その化け猫がどんな活躍をするかが楽しみな映画でした。この作品の場合、化け猫の頭が敵に向かって空を飛ぶというのは、ほかの作品には見られないアイデアです。
 ところが、この作品でも、やはり主君には罪が及びませんでした。女同士の騒動の原因を作っているのは主君であるはずなのに、化け猫は見落としているのでしょうか。普通なら、家内取締を怠ったとして厳罰ものですよね。 こんなところが”日本”なんですよねぇー。
 
 
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