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2010-10-20

「桜田門外ノ変」は途中で投げ出したよ

桜田門外ノ変101021

 幕末、数ある暗殺事件の中でも、その後の日本史を大きく塗り替えることになり、後に桜田門外の変と呼ばれるようになるテロの映画でおます。 
 徳川幕府がアメリカを中心とする西欧列強の開国要求にさいなまれていた幕末、独走した幕府最高権力者、井伊直弼暗殺事件でおますが、テロリストたちもまた独走してしまっているんですね。事件に至る経緯をテロリストたちのその後も含め、沢木耕太郎やおまへんが、「テロルの総決算」してはります。

 大ヒットした2006年の「男たちの大和 WAMATO」で復活したベテラン、佐藤純彌監督の「男たち―」に次ぐ監督作品(原作・吉村昭、脚本・江良至、佐藤純彌)で、今度はどんな映画を展開しているのか、大いに期待していたのでおますが…。
 ボク、途中で投げ出してしまいました^^
 とはいっても座席を立ったわけではおませんが、投げ出して以降、「何やねん、この映画は!」と思いながら、もうリキを入れて観続ける気力失せ、後は惰性で観ていたという、お粗末さでおます。

 


 この映画、文句を言いだすと数限りおまへんが、「ああ、アカンな」と感じたのはテロリストたちの個が全然見えへんということでおます。

 井伊直弼暗殺計画を立てた指導者の柄本明、生瀬勝久、西村雅彦、渡辺裕之のもとに18人の実行部隊が参集していますが、テロリストたちはテロの最中、斬り死にした者、自刃して果てた者たち以外、テロ実行の後、逃走する中で指導者たちも含め、順次捕縛され、刑死する運命をたどります。テロ実行前から刑死に至るまでの中で、彼らがどう思い、何に希望を託し、何に怯えていたのかなど、人間が見えてまへん。

 じゃぁ、実行部隊の指揮を執った大沢たかお扮する関鉄之介という1人の侍に、ほかのテロリストたちの思いを仮託したのかといえば、そんな感じでもおません。
 この関鉄之介というのも変な人物で、編中、いっこうに表情が変わらしません。ずっと同じまんま。これは、この人物がいかなる時でも喜怒哀楽の表情を見せない鉄壁のキャラクターでもなさそうでおます。演ずる大沢たかおの演技計算? かとも思えず、十分に弱い心も持ち合わせていそうな人物に見えるのに大沢たかおの、あののっぺりしたキツネ顔、その時々に応じて表情が変化せえへんのですね。

 幕府要人を襲撃するという歴史が変わるかもしれない、彼らがこのままではこの国はダメになると思い詰めて実行するテロに際し、テロに参加した者たちの個が垣間見える―こんなん、かつての忠臣蔵映画や集団時代劇では軽々とやってましたで。
 だから、彼らの緊迫した思い、襲撃に成功した歓び、その後に来る逃走過程での不安、恐怖、そうした個人の人間としての心理がいっこうに観る者には伝わってこないんですな。

 何よりの欠点は、この映画の構成の不具合ですやろね。
 冒頭、ひとしきり、ペリー提督の黒船来航以後の世情解説があり、観客は幕末の歴史の推移を勉強させられた後、テロ集団の暗殺計画から実行へ流れ、襲撃、逃走、井伊直弼の安政の大獄のメーンターゲットであった水戸斉昭や幕閣中枢の思惑などへ流れていきます。その間、斉昭や鉄之介などの「六年前」「三年前」などとする回想シーンが挟みこまれるのですが、時系列を整理してくれていないので観る方はいちいち、現実と回想の各シーンごとに頭を切り替えなくてはならず、ああ、ややこしいでおます。

 巻頭、いきなり桜田門外の襲撃のハイライトを出して「何事や!」と観客の耳目を集めてしまう。摑みはこれですやろ。そこにメーンタイトルをかぶせ、その後、簡単な歴史説明があり、歴史の流れ通りに進み、それから詳しい襲撃シーンに入る。ここまでで映画の3分の2ですな。残り3分の1でテロリストを何人か絞り込み、逃走から処断までを描き、最後にテロに参加したメンバーの結末を演じた役者の顔入りのタイトルで紹介して終わり。
 順当な進め方やと、こうなりますわな。それとも純彌さん、わざとこういう手法を外したんでおますやろか。当時の政治状況、現今の政治状況をダブらせるかのように最初と最後に出てくる国会議事堂のワンショット。あれは余計なオマケでおますな。

 テロリストの面々を演じた俳優の中で指導者役の柄本明、テロ決行にリキみ返るでもなし、飄々とした風貌でリードsていきますが、このなにげなさが柄本当人の持ち味が生かされていて唯一、救いですな。
 そのほかの名も知らぬ若手の俳優諸君、もっと演技の勉強しなはれや、でおます。何で皆、目がリキんでるの? でおます。悲壮感から程遠おまっせ。薩摩藩から参加した有村兄弟の薩摩弁はNHKで流用している薩摩弁まんまですな。井伊の首をはねる弟役の人、目玉の松ちゃんみたいな顔して、第一声のセリフ、ちから入り過ぎてセリフになってません。

 水戸斉昭を演じた貫禄の北大路欣也は、貫禄ありすぎて独り、時代劇やってまんな。そんねん芝居せんでもよかったのに。鬢のふさふさ白髪は邪魔ちゃいますか? 井伊直弼の伊武雅刀もそれに引きずられてリキんでまんがな。
 会議の席上、河原崎建三以外の襖脇に座るセリフのない並び大名の人たち、表情作ってまへんな。表情作ってないといえば、黒船見物に海岸に集まったエキストラのおっちゃん、おばちゃん、にいちゃんたちも今まで見たこともない黒船を遠めに見ている江戸時代の人なのに驚きの表情すら見かけまへんでした。
 鉄之介の内妻を演じた長谷川京子は体の重心が上のほうにあるのか、すべての動きがヘラヘラと揺れているようで、農家出身という設定なのに、あの鍬の使い様は! それとも畑仕事などしたことのない大庄屋のお嬢なんですやろか? その息子役の例の子供店長の子役クン、いかにもな子役俳優のくささがモロ出しでおました。

 今回はボクにしては珍しく、文句タラタラで終わることにします。
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