2010-08-05

スーパー入り口のポスターを見かけて

香華(朝日座)



 先日、買い物にでかけたスーパー、マックスバリュー入り口横の掲示板で劇団新派公演「香華」のポスターを見かけました。

 へぇ、新派が「香華」するんかいな。

 有吉佐和子の長編小説を劇化したもので、かつて東京・有楽町の芸術座(現・シアタークリエ)を根城にしていた東宝現代劇が再演を重ねていた作品で、地方巡演で来月、隣のまちに来演するそうでおます。

 郁代と朋子は誰がするねん?

 主人公の母親、郁代は水谷八重子、娘の朋子は波乃久里子でおます。

新派「香華」


 今月は東京の三越劇場で公演中でおますが、脚色は大藪郁子、演出が石井ふく子。大藪脚本は東宝現代劇版の後期のもので、時代に合わせたのか、郁代の部分がかなりコミカルに脚色されています。
 ほかに主要な登場人物として、後に郁代の亭主になる下男の八らんに佐藤B作、朋子が唯一命がけで愛した青年将校に先ごろ、おばさまたちのアイドル、氷川きよしとのラブショットをフライデーされた松村雄基が扮してます。

 久里子の朋子、ちょっと観てみたいなぁ。

 しかし……

 八重子が郁代か―(かなり失望)。内田吐夢監督の「花の吉原百人斬り」(1960年)での捨て身の名演技も今は昔でおます。おまけに、演出が石井ふく子ときてはねぇ、だいたいの調子がわかりますよね。

 舞台版「香華」の郁代は、長く山田五十鈴の持ち役でおました。もう専売特許級でおます。
 冒頭に掲げた画像は、1982年、大阪・道頓堀にあった朝日座公演時のパンフレットの表紙でおます。

 

 

 

 そのころ(といっても1960年代半ば少し前)、土曜夜10時からテレビ(確か、関西テレビ系)で主に東宝現代劇を中心にした劇場公演の録画放送枠があり、そこで観た1本が「香華」でおました。この時の郁代はもちろん山田五十鈴で、朋子は香川京子だったと記憶しています。

 余談ながら、この放送枠でほかに三益愛子、森光子、司葉子共演の「丼池(どぶいけ)」(作・菊田一夫)や森光子主演の「女のいくさ」(原作・佐藤得二)、市川染五郎(現・松本幸四郎)主演の「蒼き狼」(原作・井上靖)などが、はるかな記憶の向こうにいておます。

 次に「香華」を観たのはテレビドラマでおます。
 NET(現・テレビ朝日)系の月曜夜10時から「ポーラ名作劇場」という1時間枠のドラマがあり、多分、その第1回作品としてテレビドラマ化されたのが「香華」で、郁代はもちろん山田五十鈴でおます。朋子は坂田藤十郎夫人の扇千景で、八らんが森雅之というちょっと豪華な顔ぶれでおました。

 その年、松竹でも映画化され、それが木下恵介監督の途中休憩が入る大長編映画「香華」でおます。
 こちらは朋子を主役に据え、朋子の半生を描きつつ、郁代の一生と対比させるという構成で、主役の朋子は岡田茉莉子、郁代は乙羽信子でおました(郁代役には当初、ほかの女優さんが予定されていたそうでおます)。

 この作品、何度も結婚を重ね、そのたびに子どもをもうけてはネグレストする母親と、そんな母親のもとに生まれたがためについに1度も結婚することなく老境を迎える娘との明治、大正、昭和の40数年間にわたる女同士の壮絶なバトルを描いています。
 そんな作品を早くから観ていたとは、ボクはよほどマセていたのでおますねんやろね^^

 山田五十鈴主演の舞台版「香華」を初めて観たのは、先述したように1982年の朝日座公演でおますが、この時の朋子は星由里子でおました。演出は、この当時、劇界にも進出して大きな発言力を持っていた原作者の有吉佐和子で、脚本はコミカル表現を加味していた大藪郁子でおます。

 さてさて、五十鈴さん、どないなりましてんやろね?
 もう既に90歳を大きく超え、さすがにまだ100歳ではおませんが、周辺の関係者はむろん消息は確認しているでしょうが、一般には今はやりの「所在不明の高齢者」になっていますよね。
 

 
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