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2009-10-21

粂次姐さん逝っちゃったよ

 深川の羽織芸者の粂次さんが、この世におさらばしてしまいました。
 女優の南田洋子さんのことです。

 数年前から認知症を患い、夫の長門裕之の介護の様子がテレビで放送され、随分話題になっていたようですが、人間、誰しも老いの現実からは逃れられないという意味でショッキングな内容でおました。それ以上にショッキングだったのは、イメージを売る女優の現在、しかも、自分が誰なのかもわからなくなっている姿が映し出されていたことでおます。

 


 南田洋子といえば、すぐに思い出すのが粂次姐さんでおます。
 マキノ雅弘監督の「日本侠客伝」1作目(1964年)に登場する芸者さんですね。
 ここでも、土木請負の組の若い衆に扮した長門裕之とのからみがあり、そのからみがみものでおますが、その前に主役の高倉健とのからみもおます。

 健さんは土木請負の若頭で、2人は幼馴染みでおます。そして、粂次姐さんは一方的に若頭に熱を上げています。
 若頭が軍役から久しぶりに深川へ帰ってくると、親方(井伊友三郎)は亡くなっていて、組は新興勢力に押されまくっています。
 そんな状態を歯がみして見ていた粂次姐さん、ある夜、若頭を呼び出し、 
 「あんたって、なにさ」
 のセリフで始まるシーンは、別に好きよ、愛してるなんて言葉は飛び交っていませんが、粂次姐さんが組のだらしなさに文句を言うだけですが、ここはマキノ流の女から見たラブシーンになっています。

 この粂次姐さんにひそかに惚れているのが、長門裕之扮する赤電車の鉄っあんで、粂次も鉄の自分への思いは知っていますが、自分が若頭に惚れていることを鉄も知っている手前、鉄の期待に添うことはできません。
 それでも、鉄が粂次のために大金を用意して粂次が抱えるトラブルを解消した時、粂次の
 「鉄っあん、もしもよ、もしも、あたしがあんたに惚れたって言ったら・・・」
 の問いかけに、鉄は一瞬たじろぎますが、きっぱりと
 「ウソに聞こえるね」
 とはねつけるあたり、今度はマキノ流の男から見たラブシーンになっています。

 この2つのシーンで揺れる女心を演じた時の南田洋子は絶品でおます。マキノ雅弘という名伯楽がいてこそのシーンでおますけどね。

 もう1本、忘れられないのが「次郎長三国志 甲州路殴り込み」(1965年)で演じた小松村のお園でおます。 
 これもマキノ雅弘監督の映画で、東宝版の「次郎長三国志」では越路吹雪が演じてます。

 頼りない亭主(待田京介)を持っているけれど、その亭主を愛している侠気の女。貧乏暮らしなのにうわばみで、事が起これば槍を振り回し、亭主に恥をかかせまいと身売りの覚悟も辞さない女ですが、これ、マキノの女に託した男の夢の具現でおます。



 
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No title

私は、やっぱ『わが町』とか『幕末太陽傅』などの日活作品の方が馴染み深いです。『南国土佐を後にして』なんてのもありましたなぁ。そういえば『近松物語』にも出ているんですなぁ。合掌。

年下の友人さんへ

おお、友人さんは川島雄三派でおますな^^

ご訪問、ありがとうございました。
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青山彰吾

Author:青山彰吾
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 ただし、取り上げる映画は偏っています^^
 
 

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