2009-06-14

やっぱ観ときゃよかった「五右衛門ロック」

 純粋に映像作品として制作された映画ではなく、舞台作品を映像に収めて映画館で公開する、なんていうんでっしゃろ、そういうのが、ここ数年来、はやってます。

 大阪では難波のパークスシネマのプレミアムシートで、よくかかっている「シネマ歌舞伎」や現代演劇の「ゲキシネ(演劇シネマ)」が、そうでおます。

 っていうことで、シネマ歌舞伎はたびたび観ていますが、ノコノコと初めて観に行ったゲキシネが劇団☆新感線の古田新太主演の「五右衛門ロック」でおます。
 3時間9分、たっぷり楽しませてもらって、木戸賃2500円は儲けものでおました。同時に、大阪では確か、京橋のツインタワーにある劇場でライブ公演があったと記憶していますが、そのライブのほうこそ、観にいっときゃよかった・・・でおます。
 シネマ歌舞伎もゲキシネも、従来のフィルムを使うカメラではなく、デジタルカメラで記録されています。演劇を記録するという点で、フィルムの交換度が激しい従来のカメラより、長時間まわせるデジタルカメラのほうが利点が大きいのでおますのやろ。おかげで画像の鮮明度はバッチリ^^

 ということより、シネマ歌舞伎が昔からテレビでよく放送されている舞台中継とそう変わらない画像処理であるのに比べ、「五右衛門ロック」は十数台のカメラであらゆる方向から撮影し、編集段階で、その各カメラがとらえた映像を組み合わせているため、単なる舞台の映像記録というより、舞台とは別物の立派な映像作品として再生されていることが驚きでおました。
 各ショットの瞬間的なつなぎなど、これは映像独特のものであって、いくらライブのほうが迫力はあるとはいえ、ライブでは味わえない技術の妙でおます。

 「五右衛門ロック」の五右衛門、古田新太演じる主人公は大盗賊の石川五右衛門でおます。
 その五右衛門が釜ゆでの刑に処されたと思いきや、蘇生してきて南の島に眠る財宝を盗みに行こうということで始まるテンヤワンヤの3時間ちょいの作品でおます。

 「山門五三桐(さんもんごさんのきり)」という五右衛門が京都・南禅寺の山門に登って「絶景かな、絶景かな」と見得をきる歌舞伎ネタがおますが、そのせいかどうか、この「五右衛門ロック」は至るところで歌舞伎風味を生かした作品でおます。

 まず、最初、登場する五右衛門の綿入れの衣装が歌舞伎拝借でおます。
 続くシーンで釜ゆでになった五右衛門を救いだした女賊の松雪泰子が櫓の上でロックのリズムに乗って歌い、踊り、着物の割れ目をチラチラさせるあたり、歌舞伎踊りの元祖、出雲阿国もかくやと思わせます。五右衛門の子分たちが櫓の下で踊りまくるのは、蜷川幸雄のパクリかいなとも思わせますが・・・^^
 舞台の両袖には、ロックバンドににいちゃん? おっちゃん?たちがスタンバイ。歌舞伎の下座音楽でおますな。御簾のかわりに紗の布で覆われています。
 極めつけは、名乗りでおます。
 古田や松雪、五右衛門を南の島まで追ってきたヘボ役人の江口洋介(最近、オートバイで自損事故起こしました)、南の島の王(北大路欣也)を母の仇と狙う王の息子(森山未来=メーキャップが美形になりきれない宝塚スターみたい^^)などが連なって名乗りを上げるのですが、これなんざ、「白波五人男」そのものでおます。

 ヌボーとして、セリフ術も決していまいとはいえないけど、どこか、おかしみを醸し出す古田新太以下、ほとんどの役者が歌ったり、踊ったりするので、オペレッタの雰囲気もあり、果ては南の島の王の北大路欣也(携帯電話のCMのワンちゃんですね)までが叙事詩的な歌詞の歌を歌っております。こちらはリア王も真っ青の西洋衣装で登場してますけどね^^

 つくづく、ライブで観ときゃよかったと悔やまれたのがオチでおます。
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