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2008-10-14

見事に待つ女が並んだマキノ雅弘の世界

 「第6回京都映画祭」、たった1日だけだったけど行ってきました。
 場所は祇園の近く、東大路に面した祇園会館でおます。
 かつて、宮本武蔵の決闘で有名な一乗寺の近くに全国的に名前を知られていた京一会館という名画座があったので、しばしば京都を訪れていましたが、最近はとんとご無沙汰で、京都で映画を観るのは7月の「祇園祭」以来のことでおます。

 あんまり、京都は遠隔地という意識はおまへんのですが、改めて「時間かかるわ~」を実感してきました。
 ボクの住むまちからは直線距離にすると何のことはおまへんが、車を走らせても優に2時間はかかるし、まして電車なら、祇園下の会場までたどり着くまで乗り換えに継ぐ乗り換えで、都へ上るには、わがすむまちは「鄙なる地」であることを思い知らされました^^

 さて、京都でマキノ省三が初めて本格的に映画を製作して、今年で100年ということで、今回の「第6回京都映画祭」は、省三の息子さん、マキノ雅弘監督の作品を中心にマキノ省三最晩年の作品「忠魂義烈 実録忠臣藏」(1928年)と、オヤジや兄貴の名声に隠れ、とかく目立たない、雅弘やマキノ満男(プロデューサー)の弟、マキノ真三(女優・宮城千賀子の前夫)の監督作品「暗黒街の天使」(1948年)なども上映されました。

 マキノ雅弘がまだ、マキノ正博と名乗っていたころの作品「幽霊暁に死す」(1948年)や「肉体の門」(1948年、田村泰次郎原作の最初の映画)も観たかったのでおますが、憂き河竹の貧乏な身は稼ぎを優先して実現しまへんでした。
 たった1日、ボクが駆けつけた日は戦前・戦後の時代劇映画4本でおます。
 男とおんなの纏綿とした愛の世界が繰り広げられる映画ばっか。

 この4本を組み合わせたのは故意か偶然か、そこには4本の映画を貫いている共通項がおました。
 いずれの映画にも「待つ女」が登場します。
 これって、マキノ雅弘を読み解くキーワードの1つなんでおます。
 

 数多くの映画で、マキノ雅弘は「待つ女」を描いとります。
 なにしろ、待って待って、揚げ句の果ては「待ちぼうけの女」(1946年、松竹)という作品もあるくらいですから^^

 今回、上映された「阿波の踊子」(1941年、東宝京都)には2人の「待つ女」が出てきます。
 1人は代官(瀬川路三郎)の横恋慕に悩むお市さん(入江たか子)。7年前に消息不明になった恋人の男(長谷川一夫)の出現を待っております。
 2人目は、その男をまるで英雄のようにあこがれ、「きっと帰ってくる」と信じて疑わない宿屋の娘のお光ちゃん(高峰秀子)でおます。
 この映画、グランドホテル形式でのたりくたりと始まりますが、中盤までの静の動きが後半の延々と続く阿波踊りへ向け、一挙に躍動へと突入していきます。阿波踊りのためのモブシーンは圧巻で、昔は何百人という群集を用意することなど普通だったんでおますな。
 
 昔といえば、この映画に出てくる俳優さんたち、高峰秀子を覗いて全員、鬼籍組になっていることも時代を感じさせます。その高峰秀子ですら、もう女優を廃業してしまったので、「そして誰もいなくなった」的な映画になっております。

 2本目の「おしどり駕籠」(1958年、東映京都)は、マキノ雅弘お得意のオペレッタ映画ですが、ここでも勝気な矢場女の美空ひばりが、愛する中村錦之助の告白を待っています。
 
 3本目の「いれずみ半太郎」(1963年、東映京都)では、各地を転々として身も心もすさみきった宿場女郎の丘さとみが、自分の最低の境遇から救い出してくれる人の出現を言葉とは裏腹に密かに待ち望んでいます。

 4本目の「清水港の名物男 遠州森の石松」(1958年、東映京都)でも、四国・金毘羅宮の女郎の夕顔(丘さとみ)は「お客さんを待っとるんじょ」と言いながら、人を恋することを知らないまま商売女になったため、「惚れる」ことを教えてくれる男を待っとります。

 
 「待つ女」、言い換えれば「待たされる女」ともいえますが、身近な例でいえば、「次郎長三国志」シリーズのお蝶さんでおます。
 現在、マキノ雅彦監督の新しい「次郎長三国志」が公開されておりますが、この映画でのお蝶さん、次郎長と結婚する以前も、結婚してからも、ずっと待っとります。
 最愛のおんなをずっと待たせる次郎長も罪な男でおますが、何分にもマキノ雅弘版の次郎長は不良少年ですから、恋人、女房であってもマキノ雅弘版のお蝶には、子どものことをあれこれ心配しながらもドシッと構えている母親のイメージがおます。
 母親だからこそ、次郎長も安心して甘えて待たせることもできるのですが、年代を経るに従い、映画に登場する女性に母親のイメージを求めていたというのも、マキノ雅弘のキーポイントでおますな。

 

 
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