--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2007-12-27

貴妃じゃない、孤独なんではの「茶々 天涯の貴妃」

 世間がクリスマスイブだった夜、通勤電車の乗り換え駅の駅前にあるシネコンで、今月公開されたばかりの時代劇「茶々 天涯の貴妃」を観てきました。

 この映画がヒットしているのかどうかは知りませんが、ボクが観た夜のレイトショーでは観客は、毎度のことながら、ボク一人でした。
 よろしおまんな、観客がほかにいないっていう状態・・・。
 この醍醐味、こたえられません^^
 おまけに昼間の入場料金より600円も割り引いてくれるので、逆に劇場の経営維持に大丈夫? なんて心配になってしまいます。

 レイトショーで観客がほかにいない状態は、いつものことながら、この夜もほかに観客がいなかったということとクリスマスイブとは何ら因果関係はなさそうですね。
 日本にレイトショーで映画を観るという生活様式が根付いていないだけのことなんですよね。いったん家に帰って家族そろって、あるいは仕事帰りにちょいと映画を観るという習慣がないだけのことです。
 お父さんは仕事で疲れて帰りはクタクタ。家に直行するか、酒を呑むかで映画など、眼中にはありません。お母さんも旦那が昼間、働いている時間に友達と誘い合わせて行けばいいから、わざわざ夜、映画館に行く必要もありません。子どもたちも映画なら昼間観られるので、夜はほかの遊びを楽しむことになります。
 まぁ、その分、ボクのようにレイトで好んで映画を観る輩は、ほかの観客に邪魔されることなく、おそろしいくらい静かな場内で映画を観ることができる、となります^^

 さて、肝心の映画のほうは・・・?
 元宝塚の男役スターの和央ようかがヒロインの茶々に扮して映画初主演で頑張っていますが、その妹役を演じている寺島しのぶが主役を食っております。


 映画「茶々 天涯の貴妃」は、戦国時代、親に死に別れた3人の姉妹の半生を長女を中心にして描いております。
 監督は東映の社員監督、橋本一、脚本はアクションドラマが得意の高田宏治、原作は井上靖の「淀どの日記」です。
 実は映画を観る前に30年ぶりに小説を読み返してみました。茶々の生涯がどのように描かれていたか、30年もたつと忘れております。
 小説では茶々のその時々の心理が丹念に描かれております。それを同じように映画でも丹念に描写していくというのは2時間10分ほどの中では無理ですが、ぜひとも放り込んでおいてほしかったのは、茶々が豊臣秀吉の側室になる決意をする下りでした。

妹たちが秀吉の命令で、それぞれ大名の夫人になった後、一人になった茶々は自分が秀吉の側室になるような空気の中に投げ込まれます。しかし、プライドの高い茶々は、叔父、織田信長のかつての部下で、しかも農民出身の秀吉の囲い者になることには抵抗があります。かといって、自分一人で生きていくすべも持っていません。
 そこで、ある大名に相談します。この蒲生氏郷という大名と、妹の旦那になる京極高次という大名は少女の時から茶々が知己を得た数少ない男性です。
 蒲生氏郷に対しては、茶々どんな時でも判断を誤らず、成功の王道を行く男として尊敬しています。京極高次には、同じ名門出身でも室町時代から続く門地の後継者ということで、憧れを抱いています。

 自分が人生の岐路に立たされたとき、茶々が頼ったのは判断を誤らず、生き延びている蒲生氏郷です。そして氏郷に「天下人の子を産み、城に住む女性になってみませんか」と背中を押される形で、茶々は側室になる覚悟をします。
 映画では、この下りはありません。ありませんが、同じようなことを言うのが秀吉の奥向きから茶々を迎えに来る大蔵卿局(高島礼子)という女性ですが、同じようなことを言っていても意味は違うんですね。
 きっと、この時の茶々は頼りなく、身近に気軽に相談できる相手もおらず、心細さに震えている女の子だったのでしょうね。その心細さは秀吉の側室となり、秀吉の後継者の秀頼をもうけ、大坂城の女主人となっても続いていたと思います。
 だから、タイトルは「天涯の貴妃」ではなく、「天涯の孤独」としたほうがよかったのでは・・・と思いますが、それでは、この映画が目指したであろう、きらびやかな女の一生を描く映画にはなりませんな^^

 茶々は、秀吉(渡部篤郎)の側室になり、弟1子を亡くした後、秀吉の後継者となる秀頼をもうけて名実ともに大坂城の女主人になりますが、秀吉の死後、政権をとってかわった徳川
家康(中村師童)の軍門に下るのを潔しとせず、自滅します。かつて、秀吉の城攻めに遭った母のお市が秀吉に下ることを厭い、自刃したのと同じ道をたどることになります。
 次女のおはつは、京極高次の正室となります。小説では茶々は京極高次に対し、自分よりはるかに高い門地出身の貴族ということで憧れを抱き、側室となる前に忍んでいくものの、自分の思いを果たせずに終わりますが、もちろん、映画では触れていません。夫の死後、おはつは尼になります。
 三女の小督(おごう)は2度の結婚(映画では1度)を経て、徳川2代将軍となる秀忠の妻となり、千姫や3代将軍となる家光の母となります(この家光と弟の忠長の争いを描いた映画が1978年の、ラストで家光の首が転がる「柳生一族の陰謀」ですね)。

 茶々を演じる和央ようか、う~ん?ですね。
 はっきり言って美形じゃないし、鼻の形が妙に感心しません。演技も決して悪くはないけど、よくもない。宝塚出身ですから、セリフが宝塚独特の口調になるのは仕方ないにしても、終始、アンタ、体全体が力んでるよ、ですね。主役なのに、これといって見せ場もないのも残念ですね。
 後半、鎧姿で馬に跨り、家康に会いに行くシーンがありますが、西洋風の鎧を身にまとい、マントをなびかせて馬を駆る姿は、まさにジャンヌ・ダルクですな。この男姿の披露は和央ようかファンへのサービスでしょうな。ご愛嬌です。

 かわって、お役得なのが三女の小督を演じている寺島しのぶです。
 この人、徐々に実力をつけてきているのか、現代劇の時とは異なり、きっちり時代劇の演技をしており、役者やのぅ~です。おまけに見せ場もたっぷり。あんた、脇役のはずでしょ??なんですね。それにお母さんに比べると容色が劣るとよく言われていますが、美形じゃない主役の女優と並ぶと美人に見えて仕方なかったというのも、何だか妙な具合です。

 いちばんワリを食っているのが次女のおはつを演じる富田靖子。ナレーションも務めていますが、さして出番もなく、ラスト、妹の小督とともに、燃え盛る大坂城とともに滅んでいく姉、茶々に思いを馳せております。大林宣彦監督の「さみしんぼう」のおねえちゃんも、もう40前になっているんですね。

 そういうえば、この3人の女優はみんな、30代後半だったんですね。
関連記事

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

青山彰吾

Author:青山彰吾
 日本映画を中心にしたコーナーです。
 ただし、取り上げる映画は偏っています^^
 
 

最近はこんなんです^^
ゲストのひと言
テーマ紹介
FC2カウンター
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

在庫の記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。