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2007-02-12

泰山鳴動して「大奥」

 今年に入り、映画館通いをザボっています。ま、わがブログは新作映画だけを取り上げているコーナーではないので、映画を観ていないからブログを更新できないわけではありませんが、映画館通い以上にサボっているのが、ブログの更新というようなわけで・・・。
 時々、友達から電話があり、「最近、全然、更新していないやないか」などと、お叱りを受けています。ありがたいことですね。わがショボいブログでも定期的にのぞいていてくださる人がおり、更新されていないと一声かけてくださるというのは・・・。
 そんなありがたいお言葉に素直に従うこともなく、ひたすら怠け、怠けの街道をひた走っております(カンニンな!)。

 ってなわけで(どういうわけや?って突っ込みは入れないように)、今年に入り、ようやく映画館で観ることができたのが豪華絢爛、女優が咲き乱れた?「大奥」でありました。
 いやぁ~、これがストーリー的には「泰山鳴動してネズミ1匹も出ず」という映画でおました^^
 


 「大奥」は、江戸中期、絵島生島の密通事件がメーンのお話です。
 絵島生島といえば、かつて舟橋聖一の同名小説を原作にした松竹映画「絵島生島」(1955年、監督・大庭秀雄)が淡島千景、市川海老蔵(今の海老蔵のおじいさん)の主演で作られております。
 テレビ映画のほうでも何度か劇化されており、ボクも1968年の「大奥」シリーズの中で有馬稲子、田村高広のコンビで作られた作品(脚本・西沢裕子、監督・中島貞夫)で観ております。これは舟橋聖一の小説を原作にはしていない、自由に脚色された一編でした(この作品では、絵島ではなく、江島でありました)。
 
 もちろん、今回の映画版も浅野妙子という、テレビの最近の「大奥」シリーズでも脚本を担当していた女性ライターのオリジナル作品であります。
 大奥に将軍の生母(井川遥)がおります。現将軍の母親ですから絶大な権力を誇り、生活は保障されているので気随気ままに暮らしております。将軍とはいえ、現将軍はまだ5、6歳の今でいう幼稚園児のような子どもです。そこで将軍をサポートする側用人(及川光博)がいます。
 この側用人さん、政治家としての野心に燃え燃えです。女ばかりの大奥にも出入りして将軍のお母さんを精神的にも肉体的にも慰めております。お母さんのほうも若い身空で寡婦となったため、まだ若い側用人にぞっこんです。いわば、2人は不倫の関係であります。巷間、伝えられている7代将軍家継の生母・月光院と側用人・間部詮房との妖しい関係ですね。
 
 ところが、大奥の一方に先代将軍の正妻(高島礼子)も住んでおります。ほか、先代将軍の側室だった女(松下由樹)たちもおります。彼女たちは後継ぎの男の子を産んでいるばかりに、わが世の春を謳歌する将軍の生母が憎くてたまりません。だから、正妻と側室たちは連合を組んで、ことごとに将軍のお母さんをいじめます。
 そんな将軍のお母さんを大奥にあってサポートしているのが、大奥の総責任者となっている絵島(仲間由起恵)です。この人、大奥の下働きから幹部に昇進したたたき上げの女性です。将軍のお母さんも絵島も町人出身ということで固く結ばれております。
 正妻さん、将軍のお母さんの不倫は噂には聞いていますが、確証がないため、下手に手出しできません。そこで目をつけたのが絵島です。将を射んとすれば、まず馬を射ろの作戦ですね。絵島の男とのスキャンダルを作り上げようと、部下(杉田かおる)に指令を発します。
 
 こうした前提があって絵島と歌舞伎役者の生島新五郎(西島秀俊)のスキャンダルが生まれていくわけですが、スキャンダルといえば、将軍のお母さんと側用人だけではありません。
 将軍のお母さんが憎くてたまらない正妻さんも、こっそり歌舞伎役者(北村一輝)を大奥に引き入れ、楽しくやっております。正妻さんこそ、他人のことは言えないわけですが、そうした女性だから権力奪還のために無理やり絵島のスキャンダルを企むという下半身ネタに走るのでしょうか。
 絵島は28歳の今日まで、大奥の仕事一筋に生きてきた女性で、男性経験はありません。だから、将軍のお母さんが側用人との愛欲に溺れている姿を見て「男の体って、そんなに女を狂わせるものかしら」と頭の中は?マークでいっぱいです。女性ライターらしいセリフですね。もし、男性がこの映画の脚本を書いていたら発想できないひと言です。
 おまけに、絵島は聡明な女性です。自分に近づいてきた新五郎の思うツボにはなかなかハマりません。そればかりか、「誰かに頼まれてしているんでしょ?」と相手の魂胆を見抜いてしまいます。
 対する新五郎の設定も面白いですね。それまでの絵島生島のドラマとは異なり、決して当代一の人気役者ではありません。舞台では主役を務めているものの、人気に翳りが見え始めており、舞台のないときは金持ちの奥さんと楽しい数時間を過ごすホストをやっております。
 
 こんな2人が急接近し、やがて破綻へ向かうキーマンとなるのが、正妻さんの指令を受けて2人を取り持つことになる杉田かおる扮する部下の女性です。
 この人、絵島がなかなか落ちないのに業を煮やし、生島に談判すると「じゃ、あんた、俺とやってみる?」と言われて、一瞬、その気になったものの、「急用を思い出したわ」と言って逃げてしまいます。きっと、彼女も男性経験のない女性だったのでしょう。
 そのくせ、劇場の客席で絵島と生島がいるのを見て嫉妬の炎が燃え立ち、生島の楽屋に忍び込んで劇場に放火してしまいます。この火事騒ぎで絵島と生島は合体の時を迎えることになるのですが、さすがに杉田かおる、この映画では一人、儲け役をやっております。
 おまけに、絵島と生島のスキャンダル発覚後、それまで正妻さんのホスト役を務めていた役者が恐れをなして逃げ、男に逃げられて悶え泣く正妻さんに「フン、それ見たことか」というような皮肉な一瞥をくれます。
 
 さて、こうした大騒動が起こったにもかかわらず、一件落着後の大奥は正妻さんが権力を奪還したわけではなく、依然、将軍のお母さんは将軍の母として権力の座に座り続けます。
この大奥事件には側用人を追い落とそうとする表(今で言う内閣ですね)の政治家たち(岸谷五朗、柳葉敏郎)も絡んでいたのですが、彼らの思惑も外れて側用人は側用人のままで、大奥、表ともに何ら変わりません。
 この大奥事件で犠牲になったのは、主筋である将軍のお母さんに保身のために売られて大名家にお預けとなった絵島と、カネのために下半身ネタにノって刑死する生島新五郎だけで、大奥粛清のための犠牲者という歴史的見解とぴったり帳尻を合わせています。

 主要キャストのほとんどが主役の仲間由起恵以外、この数年、フジテレビ系列で放送された「大奥」に出ていた俳優さんばかりです。ナレーションの女性の声を聴いて映画を観ているうちは、それが誰の声なのか、思い出せなかったのですが、ラストのタイトルローグで、「そうだったのか!」と知らされました。ナレーションは、われわれの年代では野良猫や、さそりのおねーちゃんだった梶芽衣子が務めております。
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