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2006-03-04

9)特選名画の「侠客列伝」

 高倉健主演、特別出演格に鶴田浩二を迎えた「侠客列伝」は1968年のお盆の時期に公開された映画です。監督はマキノ雅弘。最近、マキノVS健のDVDボックスの一本としてDVD化されましたが、その宣伝ではありません(東映からカネなんか貰ってないです^^)。

 お盆映画なのに、ボクが観たのは翌年の正月映画としてでした。お盆と正月。この半年もある差は何なん?? 今でこそ、雨後のタケノコのように登場したシネコンが全国に張り巡らされているので一本の映画が半年もの時間差で公開されることはありませんが、かつては都会で封切られた(こんな言葉は今も生きてるのでしょうか?)映画を、半年もたってから田舎に住む人間が観るってことは珍しいことではなかったのですね。

 地元にたった一軒残った古い映画館、といえば、何やらP・ボクダノビッチの「ラストショー」みたいです^^ でも、ボクの前にはベン・ジョンソンもシビル・シェパードも、グロリス・リーチマンさえ現れなかったというのは余計なお話で、そんな田舎の映画館の正月公開用、特選名画三本立ての一本として観たのが「侠客列伝」でした。


 特選名画といっても、映画館が勝手にそう銘打っているだけで、何が名画で、何が駄作なのか、そんなものは観てみないとわかりません。当時の日本映画各社(日活、松竹、東宝、大映、東映)のプログラムピクチャーの中から毎週三本が選ばれて、その映画館で公開されていました。外国映画はいっさいなしです。

 それにしても映画三本立てというのは重労働勝負です。今なら観たくない映画が混じっていれば無視しますが、そのころはボクも正直だったんですね。いつも、いつも三本全部観ていました。映画一本を一時間半の長さとすると、休憩時間も含めて計算すれば、おおよそ五時間。
 正月時分の冬場、正午に入場しても映画全部を見終わるころには、もう外は夕闇に包まれている時間帯です。田舎で映画を観るということは体力、気力と時間が絶対必要なハレの行事でした。

 料金が高校生で200円という安さ、あとあとまで心に残るような名画にいつ遭遇できるか分からないバクチのような賭けが、取り柄といえば取り柄でしょうか。ちなみに、この時の併映作品は「女賭博師絶縁状」と「高校生芸者」でした。どちらも大映映画で、片や江波杏子のヒットシリーズ、片や大映お得意の性典映画、これにわが本命の任侠映画を盛り込んで三本立て上映です。
 ね、特選名画でしょう^^

 「侠客列伝」はズバリ「忠臣蔵」でした。
 観終った時、一緒に観に行っていた友達に「忠臣蔵みたいやなー」と呟いたのを憶えていますが、「みたいやなー」ではなく、「忠臣蔵」そのものでした。

 高倉健以下、大木実、若山富三郎、里見浩太郎などの面々が、計略にはまって亡くなった親分(菅原謙二)の仇を討つため、敵対する組の親分たち(河津清三郎、遠藤辰雄)の嫌がらせや迫害に耐えに耐えて最後に爆発させるというお馴染みのストーリー。イメージ通りのキャスティングですが、ただ一人、「網走番外地」シリーズで憎まれ役の鬼看守で愛嬌のあった関山耕司さんが、この作品では敵役ではなく、討ち入り組の一人に配されていたのが配役の妙といえば妙です。

 もちろん、わがご贔屓の藤純子も顔を見せています。
 ここでは健さんたち苛められ組に同情を寄せる旅人・鶴田浩二の恋人に扮し、マキノ映画お馴染みの「待たされる女」を演じています。「丸髷に結われる身ではありながら・・・」と置屋の女将(東竜子)に冷やかされながら恋人とのゴールイン直前、単身の殴り込みで恋人を失い、「待ちぼうけの女」になってしまいます。人込みの中、恋人の遺骸を乗せた大八車を弟(宮土尚治=桜木健一)にひかせながら望遠で捉えたアップの純子は哀しみとも怒りともつかない目を潤ませた表情を見せています。

 この作品とは、後年、任侠映画五本立てのオールナイト上映で再会したことがあります。その時の併映作品は「日本女侠伝 侠客芸者」「緋牡丹博徒 お竜参上」「博奕打ち いのち札」「藤純子引退記念映画 関東緋桜一家」です。
こちらの方がはるかに特選名画だったことはいうまでもありません^^
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こんにちは

http://jump.sagasu.in/goto/blog-ranking/で記事が取り上げられていたので、見にきちゃいました。僕もブログをはじめようと思っています。又見に来ますね(^^)ノシ

鈴木さんへ

 ご訪問、ありがとうございます。
 ブログが立ち上がったら、ぜひ教えてくださいね。今後とも、よろしくです^^

こんばんわ

こんばんわ。
僕も映画関係のブログというものをやってみようかなと思っていましたので、参考にさせていてだきます。
最近は、『昭和残侠伝』を見直しています。健さんの最新作上映に合わせて、『昭和残侠伝 死んで貰います』を見てからというもの、近くのツタヤで一本借りては、また一本という感じで借りています。ラストで、殴り込みにいく健さんに池部良が「ご一緒させていただきます」という決め台詞に涙が止まりません。健さんもそろそろこういう映画にけじめをつける作品に出演するべきではないでしょうか。そういえば、池部良も1918年 (大正7年) 2月生まれですから、かれこれ88歳。昨年の「朝まで生テレビ」に出ていましたね。まだまだ現役という感じでした。
その他、石田民三の『花摘み日記』を見て、これもびっくり。この作品は高峰秀子の主演作なんですけど、加藤治子のデビュー作でもあるとのこと。ということは、加藤治子もいい年なんだ。でも、最も驚いたのが市川崑が製作者だったということ。まだ現役だもの。つい先だっても新作撮るって、記者会見をしていましたものねぇ。老人パワー恐るべし。
いろいろと伝えたいこともありますが、今日はこれぐらいに。でも、ブログって気分転換になりそうですね。

shyさんへ

 わがブログへ、ご訪問ありがとうございます。
 あのぅ~、健さんは「幸福の黄色いハンカチ」でやくざ映画に決別をつけているはずなんですが・・・。寡黙なヒーロー像ってことでいえば、しようがないですよ。だって、健さんは演技派じゃないんですから。
 石田民三の「花摘み日記」って、いつごろの作品なんですか。デコもトシだけど、加藤治子も結構なおトシですよね。市川崑で90歳。何も今さら金田一やらなくてもいいのにね。しかも万年大根の石坂浩二がまたまたの金田一なんて・・・。だから、日本映画の企画の発想って貧困なんですよ。
 ブログの開設、期待してます!!

花摘み日記

『花摘み日記』は、昭和14年の東宝京都(←要するにJ,Oですな)の作品です。この作品はポジしか残っていなくて、一昨年、約半世紀ぶりにニュープリントが焼かれて、つい先日、大阪で上映会があったのでした。舞台は大阪で、当時の様子がうかがいしれる、そういう意味でも貴重な作品です。生意気盛りの役をやらすと高峰秀子は、本当にかわいい。先生役に葦原邦子が出ていました。
健さんについては、やはり世間はそういう役を求めている訳で、しょうがないでしょう。でも、先月の文藝春秋に健さんが黒澤明の『乱』に出る予定だったと載っていましたが、それが本当だったら、少しは変わったかも。
市川崑はしょうがないよね。さすがの市川崑フリークでも、新作には期待していません。ただ90歳で、まだ一線というのが、あまりにもすばらしくて…。
まあ、そういうことです。
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青山彰吾

Author:青山彰吾
 日本映画を中心にしたコーナーです。
 ただし、取り上げる映画は偏っています^^
 
 

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