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2016-11-05

チラシを見ても映画を観たことにはならねえ36・メイカ篇

                       チラシ 芹明香161031

 お江戸のお友達から例によって東京の名画座を中心とする映画のチラシが送られてきて、渋谷では先月末から『祝・生誕45周年!芹明香は芹明香である!』と題する特集が上映されているそうでおます。
 日活ロマンポルノ映画が誕生して今年で45年を迎えたそうで、しかし、生誕45周年とはいえ、現実には日活ロマンポルノ映画が消えたのは遥か昔のことになりますな。日本に映画が渡来し、動く写真、つまり活動写真と呼ばれ、映画が商品化された初期のころに誕生した名門・日本活動写真株式会社、つまり日活が1971年、事実上の一般映画製作から撤退し、その後、18R専門の映画会社として再出発、そのころはまだ18Rの裸映画を指す言葉として「ピンク映画」なる語句が生きていた時代で、そのピンク映画の市場を席巻していた幾多の弱小ピンク映画製作の専門プロダクションとは一線を画するため、ロマンポルノなる、ちょっとお洒落な感覚の横文字言葉を考案し、日活の裸映画は出発したわけでおますな。
 弱小プロダクションとは一線を画するとは、さすが名門・日活。腐っても鯛でおましたんやな。

 片桐夕子、山科ゆり、絵沢萌子、白川和子など日活ロマンポルノスタート時からの女優たちに遅れること数年、登場したのが芹明香でおます。遅れること数年といっても、それはわずか1、2年の差程度で、ロマンポルノ初期の女優群のひとりといってもいいのでは? 受け口気味の唇がいつも半開き状態で、投げやりな目つきの気だるそうな表情をした女の子でおました。気だるそうな表情はラリってるの? と思わせるような危なげな感じで、あれは芹明香の本来のキャラクターだったのか、それとも作られた個性だったのか、まだほんのガキだったボクにはよう分かりまへん。

 その後、芹明香は数回の刑事事件に関係し、次第に表舞台から姿を消したのでおますが、芹明香が登場したころ、彼女と同じ出身地である大学の同級生が自分と同じ高校の出身で、下級生だった彼女はそのころから目立つ女子高生だったとよく話をしていたものでおます。
 その芹明香が今回の特集上映のトークショーにゲスト出演するということで、初日だったかに行われたトークショーに駆け付けたお友達が客席から捉えたアングルの現在の芹明香の写真をメールで送ってくれました。
 ボク個人としては、こういうのってあまり好きではないんでおますな。つまり、何年も表舞台から消えていた女優が表舞台に現れるということでおます。時は残酷なもので、どんなに美女であっても、どんなにそうじゃなかった女優であっても、人間には等しく時の残酷さは訪れるものでおます。それは十分分かっていながら、かつては若々しかった女優の「今」を垣間見るなんて、受け取る自分側にとっても残酷なことで、改めて人間は必ず老けていくもので、その法則から逃れた者はひとりもいないということを痛感させられるのでおます。
 で、写真を送ってくれたお友達へのボクの返信は……

 「おちついた、ええ感じのおばはんやね」でおました。

 そのころ、ボクはもう一人の「メイカ」と対面していたのでおます。




 

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