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2010-10-23

肩すかしだった「大江戸りびんぐでっど」

大江戸101024


 今年、2度目のシネマ歌舞伎見参でおます。
 東京の歌舞伎座は現在、改築中で、そのさよなら公演の演目のうち、昨年12月公演からシネマ歌舞伎としてお目見えしたのが、この「大江戸りびんぐでっど」でおます。

 勘三郎親子3人に扇雀、福助、橋之助、三津五郎に彌十郎など、勘三郎一座と言ってもいいお馴染みの面々に今回は高麗屋の息子、市川染五郎を主役に据え、そこへ中村師童も加わり、おそらく勘三郎ご指名と思われる宮藤官九郎の作・演出で何とか現代の歌舞伎を! と意気込んだのでおましょうが、いやはや、滑りに滑りまくっている一篇でおました。

 さしものクドカン、宮藤官九郎も疲れが出ているのか、それとも歌舞伎劇は自分流に料理できなかったのか、演じている役者さんそれぞれに戸惑いが見え隠れしているのがよく分かり、それ以上に「わかった、もうええから早く幕にしてくれ~」と観ているボクが戸惑っていたのでおます。

 LIVING DEAD―つまり、ゾンビでおますわな。そのゾンビたちが江戸の町に現れ、口八丁手八丁の男(染五郎)に派遣社員として雇われる話でおます。
 でもね、ゾンビとか派遣とか、何とか現代につながるキーワードで物語を構成しているのはよく分かるのでおますが、それだけ。せっかく扇雀以下、ゾンビが団体で歌舞伎座の大舞台をドタバタしているのに何のヒネリもアイロニーもご愛嬌もなく、ただただ騒がしいだけでおました。

 唯一、中村小山三じいちゃんが今回もチラリと振り袖姿の若い女になって登場、健在ぶりを確認できたのが拾い物だったくらいで、カネ返せ~とは言わないまでも(ライブで観ていたら、そう思ったかも)、新しさ、楽しさの何もない退屈な2時間弱でおました。
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